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開業届の出し方|e-Taxの手順と必要なもの・2026年からの新しい期限

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最終更新:2026年10月20日

開業届の出し方は、「個人事業の開業・廃業等届出書」を納税地の税務署に出すことです。e-Taxなら家から送信でき、書面なら税務署へ持参するか郵送します。いまの所得税法229条では、提出期限は「開業した年分の確定申告期限まで」です。ただし、青色申告承認申請書の期限は開業日から2か月以内(1月15日までに開業した場合は3月15日まで)のままなので、2枚はセットで出すのがいちばん安全です。

ぼくは40歳でtiny合同会社を一人で設立して独立したマーケターです。この記事は、個人事業主として始める人と、副業を事業として始める人に向けて、開業届と同時に出す書類と期限を、国税庁・e-Gov法令検索・東京都主税局で確認できた範囲で整理しました。確定申告の全体の流れはフリーランスの確定申告ガイドに、独立準備の全体は独立・開業前にやることリストに任せ、ここでは届出の出し方に絞ります。2026年10月20日時点の制度で書いています。

開業届の出し方とは?結論から

開業届は、事業所得などを生む事業を始めたことを税務署に知らせる届出です。出し方はe-Taxか書面の2通りで、提出先はどちらも納税地の税務署です。

項目 確認できた内容 出典
正式な名前 個人事業の開業・廃業等届出書 国税庁 A1-5
出す人 新たに不動産所得・事業所得・山林所得を生ずべき事業を始めた人 所得税法229条
提出先 納税地(通常は住所地)を所轄する税務署長 国税庁 A1-5
期限 事業を始めた日の属する年分の確定申告期限まで。期限が土日祝日なら翌日 所得税法229条、国税庁 No.2090
出し方 パソコンのe-Taxソフトで作成して送信、または書面を持参・郵送 国税庁 A1-5
書く内容 氏名・住所・個人番号、開業の年月日、事業の概要、事務所の所在地など。様式には職業と屋号の欄もある 所得税法施行規則98条
本人確認 書面で出すときはマイナンバーの記載と本人確認書類の提示か写しの添付。e-Taxなら本人確認書類は要らない 国税庁 A1-5

期限については、古い情報に注意が要ります。e-Gov法令検索の改正履歴で所得税法229条を見比べると、2025年12月18日施行の版では「その事実があつた日から一月以内」、2026年1月1日施行の版からは「その事実があつた日の属する年分の所得税に係る確定申告期限まで」と書かれています。国税庁の案内(No.2090・A1-5・パンフレット「暮らしの税情報(令和8年度版)」)も、いまは確定申告期限までと案内しています。ネット上の解説には「開業から1か月以内」と書かれたものが残っているので、日付を見て読み分けてください。

開業届と同時に出す書類と期限

開業届だけ出しても、青色申告にはなりません。青色申告承認申請書をはじめ、必要な人だけが出す書類がいくつかあり、期限はそれぞれ違います。

書類 出す人 期限
個人事業の開業・廃業等届出書 事業を始めた人全員 開業した年分の確定申告期限まで
所得税の青色申告承認申請書 青色申告をしたい人 1月15日までに開業したらその年の3月15日まで。1月16日以後に開業したら開業日から2か月以内
青色事業専従者給与に関する届出書 生計を一にする家族に給与を払い、経費にしたい人 その年の3月15日まで(1月16日以後の開業や、専従者ができた場合はその日から2か月以内)
給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書 人を雇って給与を払う人 給与の支払事務所を設けてから1か月以内
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 給与の支給人員が常時10人未満で、源泉所得税を年2回にまとめて納めたい人 随時(原則として提出した日の翌月に支払う給与から適用)
棚卸資産の評価方法・減価償却資産の償却方法の届出書 評価方法や償却方法を選んで届け出る人 開業した年分の確定申告期限まで
適格請求書発行事業者の登録申請書 開業した時からインボイスを発行したい人 開業した年の12月31日まで
事業開始等申告書(個人事業税) 事業を始めた人(都道府県に出す) 東京都は事業の開始の日から15日以内。ほかの道府県は各自治体の案内で確認

税務署に出す書類の期限は国税庁 No.2090とパンフレット「暮らしの税情報(令和8年度版)」で、青色申告承認申請書の期限は所得税法144条でも確認しました。都道府県の申告書は東京都主税局「個人事業税」の案内によるもので、都内ならLoGoフォームで電子申請もできます。

青色申告承認申請書を出すと、承認を受けたい年の12月31日まで(11月1日以後に開業した場合は翌年2月15日まで)に承認か却下の通知がなければ、承認があったものとみなされます(所得税法147条)。青色申告特別控除は、令和8年分まで最大65万円です。令和9年分からは、65万円の控除にe-Taxでの提出が必須になり、優良な電子帳簿の保存などの要件を満たすと最高75万円、書面で申告した場合の上限は10万円になります(国税庁「75万円の青色申告特別控除」)。控除の前提になる帳簿のつけ方は複式簿記と単式簿記の違いにまとめています。

消費税は、新しく開業した年とその翌年は原則として免税事業者です。インボイスの登録を受けると、登録している間は免税事業者になれません(国税庁「暮らしの税情報」)。登録するかどうかの考え方は免税事業者とは何かを整理した記事に書きました。

開業届の出し方の手順(e-Tax・書面)

e-Taxで出すなら、Windowsのパソコンとマイナンバーカードを用意して、e-Taxソフトから送信します。国税庁の案内では、開業届はパソコンのe-Taxソフトで作成して送る手続きになっていて、Macではe-Taxソフトを使えません。

  1. 開業日と事業の内容を決める:様式の「開業・廃業等日」に開業のあった日を、「事業の概要」はできるだけ具体的に書きます。屋号は施行規則98条の記載事項には入っていません
  2. e-Taxにログインできるようにする:マイナンバーカード方式なら、利用者識別番号とパスワードを管理せずにログインできます(e-Tax「マイナンバーカード方式について」)
  3. e-Taxソフトを入れる:e-Taxソフトダウンロードコーナーから入れます。推奨環境はWindowsで、Macでは使えません
  4. 届出書を作って電子署名し、送信する:マイナンバーカードの電子証明書で署名します。カードを読み取る機器の対応は、e-Taxの推奨環境で確認してください
  5. 受信通知を保存する:送信後、メッセージボックスに受付番号や受付日時が入った受信通知が届きます。これが提出した証拠になります

同じe-Taxでも、青色申告承認申請書は、ブラウザで使うe-Taxソフト(WEB版)の「マイページ」から、スマートフォンでも出せます(国税庁 A1-8)。一方、WEB版で作成できる手続の一覧には、2026年10月20日に確認した時点で開業届は載っていませんでした。

比べる点 e-Tax 書面(持参・郵送)
作り方 e-Taxソフト(Windows)で作成 国税庁のPDF様式に入力して印刷、または手書き
本人確認書類 不要 提示するか写しを添付
出した証拠 メッセージボックスの受信通知 控えへの収受日付印は令和7年1月から押されない。希望すれば日付と税務署名を書いたリーフレットを受け取れる(郵送は切手を貼った返信用封筒を同封)
窓口の時間 e-Taxの利用可能時間内 令和8年10月1日から総合窓口の受付は原則9時から15時まで

控えの扱いは、国税庁「令和7年1月からの申告書等の控えへの収受日付印の押なつについて」で確認しました。書面で出す人は、提出した日を控えに自分で書いておくと、あとで困りません。

個人事業主・副業の人の判断ポイント

開業届を出すかどうかは、「副業かどうか」ではなく「事業として帳簿をつけて続けるかどうか」で決まります。届出の対象は事業所得などを生ずべき事業を始めた人で、副業でも事業として営むなら対象になります。

事業所得か雑所得かの線引きについて、国税庁の所得税基本通達35-2は、その活動が「社会通念上事業と称するに至る程度」かどうかで判定するとしています。さらに、取引を記録した帳簿書類を保存していない場合は、収入金額が300万円を超えて事業と認められる事実があるときを除き、業務に係る雑所得になるとしています。副業で始めるなら、届出より先に、帳簿をつけるかどうかを決めておくと迷いません。会社員の副業は、勤め先の就業規則の副業規定も先に確かめておきたいところです。

開業日は、ほかの手続きの起点にもなります。青色申告承認申請書の2か月は開業日から数えます。雇用保険の失業給付を受けている途中で開業して再就職手当を申請する場合、ハローワークは事業の開始を確かめる資料の例として開業届の写しを挙げています(厚生労働省「雇用保険業務取扱要領」)。その場合は税務署の期限を待たず、早めに出しておくほうが手続きが進みます。事業用の口座を作るときも、ゆうちょ銀行のように開業届の控えを求める金融機関があります(ゆうちょ銀行「事業用途で個人名義の口座を開設されるお客さまへ」)。

法人で始める場合は、開業届ではなく、登記のあとに法人設立届出書を出します(設立の日以後2か月以内)。ぼくは合同会社で独立したので、届出の種類も期限も個人とは違いました。法人側の届出は法人設立届出書の書き方と会社設立後の届出一覧にまとめています。

届出の次に効いてくるのは、日々の記帳です。ぼくが独立1年目にいちばん後悔したのは、会計ソフトをもっと早く使い始めなかったことでした。領収書をためて後からまとめて入力する作業は、かなりきつかったからです。いまは日々の記帳をしていれば申告書の作成自体は2〜3時間で終わり、マイナンバーカードがあればe-Taxで完結するので税務署に行く必要もありません(会計ソフトの比較記事に書いた体験)。開業届を出す週に、事業用の口座とカードを分けて会計ソフトにつないでおくと、その後の1年が楽になります。

よくある間違いと注意点

いちばん多い間違いは、開業届を出せば青色申告になると思うことです。青色申告には承認申請書が別に要り、その期限は開業届より短く設定されています。

  • 「1か月以内」の古い情報で判断する:いまの所得税法229条の期限は、開業した年分の確定申告期限までです
  • 期限が延びたので青色も後でいいと思う:青色申告承認申請書は開業日から2か月以内(1月15日までの開業は3月15日まで)です。過ぎるとその年は青色申告になりません
  • Macでe-Taxソフトを使おうとする:e-TaxソフトはMacに対応していません。Windowsが手元にないなら書面で出す方法もあります
  • 書面の控えに受付印が押されると思う:令和7年1月から押されません。提出日を自分で記録しておきます
  • 屋号が決まらないので出せないと思う:屋号は省令の記載事項に入っていません
  • 都道府県の申告書を忘れる:個人事業税の事業開始等申告書は、東京都なら開始から15日以内です

この記事は最終更新日時点の制度で書いています。個別の判断(自分の会社がどうするか)は、税理士・司法書士・社労士に確認してください。税理士の選び方はいい税理士の見分け方と探し方にまとめています。

開業届の出し方に関するよくある質問

開業届はe-Taxでスマホから出せますか?

国税庁の案内では、開業届はパソコンのe-Taxソフトで作成して送信します。e-TaxソフトはWindows用で、2026年10月20日時点で、スマートフォンでも使えるWEB版の作成可能手続の一覧に開業届は見当たりませんでした。青色申告承認申請書は、WEB版からスマートフォンでも出せます。

開業届の期限はいつまでですか?1か月を過ぎたら遅れですか?

いまの所得税法229条では、事業を始めた日の属する年分の確定申告期限までです。e-Govの改正履歴では、2026年1月1日施行の版からこの書き方になっています。ただし、青色申告承認申請書は開業日から2か月以内(1月15日までの開業は3月15日まで)なので、開業届と一緒に早めに出すのが安全です。

開業届に必要なものは何ですか?

書面なら、マイナンバーを書いた届出書と本人確認書類(提示か写しの添付)です。e-Taxなら本人確認書類は要らず、マイナンバーカードの電子証明書で署名して送ります。屋号は様式に欄がありますが、省令の記載事項には入っていません。

副業でも開業届は出す必要がありますか?

副業でも、事業所得を生ずべき事業を始めたなら対象です。事業所得か雑所得かは、社会通念上事業といえる程度か、帳簿書類を保存しているかなどで判定されます(所得税基本通達35-2)。判断に迷うときは、税務署か税理士に確認してください。

おわりに──開業届の期限は延びても、青色の2か月は延びていない

開業届は、いつ出すかより、何と一緒に出すかで差がつく書類です。期限は確定申告まで延びましたが、青色申告承認申請書の2か月は延びていません。開業届は青色申告承認申請書と一緒に、開業した月のうちに出す。これだけ決めておけば、出し忘れで1年分の控除を逃すことはなくなります。

今日やることは1つです。開業日を決めて、カレンダーのその日から2か月後に「青色申告承認申請書」と書き込んでください。

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