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住民税の普通徴収と特別徴収の違い|副業・切り替え・いつ・納付期限

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最終更新:2026年10月20日

住民税の普通徴収と特別徴収の違いは、誰が市区町村に納めるかです。普通徴収は、市区町村から届く納税通知書で本人が納める方法で、納期は原則6月・8月・10月・翌年1月の年4回です。特別徴収は、勤務先などの給与の支払者が毎月の給与から天引きして納める方法で、6月から翌年5月までの12回に分かれます。会社員の給与にかかる住民税は原則として特別徴収になり、副業の所得のうち給与以外のものだけ、確定申告書などで「自分で納付(普通徴収)」を選べます。

ぼくは40歳でtiny合同会社を一人で設立したマーケターです。この記事は、会社員として副業をしている人と、退職や独立で住民税の納め方が変わる人に向けて、2つの徴収方法の仕組みと切り替えの時期を、総務省・e-Gov法令検索・自治体の公式ページで確認できた範囲で整理しました。確定申告の全体はフリーランスの確定申告ガイド、退職後の保険証は独立したら保険証はどうなるのかに任せ、ここでは住民税の納め方に絞ります。2026年10月20日時点の制度で書いています。

住民税の普通徴収と特別徴収とは?結論から

税額は同じで、違うのは納め方です。普通徴収は本人が納付書で払い、特別徴収は給与の支払者が天引きして払います。

比べる点 普通徴収 特別徴収(給与から)
市区町村に納める人 本人 給与の支払者(会社など)
税額の知らせ方 納税通知書が本人に届く 特別徴収税額通知が会社と、会社経由で本人に届く
回数と時期 原則年4回(6月・8月・10月・翌年1月) 12回(6月から翌年5月の給与から)
主な対象 個人事業主、退職して給与がない人など 給与を受けている会社員・役員
副業の所得 給与以外の所得は、申告で選べば普通徴収にできる 給与の所得は原則こちら。給与以外も、選ばなければ合算されることがある

2つの定義は総務省のやさしい地方税 個人住民税で確認しました。同じページによると、個人住民税はその年の1月1日に住所がある市区町村で、前年1月から12月までの所得をもとに課税されます。所得割の標準税率は10%(道府県民税4%・市町村民税6%)、均等割は4,000円で、2024年度からは森林環境税(国税)1,000円が併せて徴収されます。なお、会社に課税される法人住民税は別の税で、法人住民税の均等割の記事で扱っています。

制度・納期・根拠(地方税法と自治体の案内)

普通徴収の納期は地方税法で月が決まり、日付は市区町村の条例で決まります。特別徴収は、天引きした月の翌月10日までに会社が納めます。

論点 確認できた内容 出典
普通徴収の納期 6月・8月・10月・1月中に、市町村の条例で定める(税額が均等割以下なら6月中)。特別の事情があれば別の納期も可 地方税法320条
普通徴収の例(中央区) 納税通知書を6月中旬頃に届くよう郵送。6月(第1期)・8月(第2期)・10月(第3期)・翌年1月(第4期)の各末日が納期限。まだ来ていない期の分をまとめて払うこともできる 中央区 住民税の申告から納付まで
特別徴収の流れ 給与の支払者が1月31日までに給与支払報告書を提出→5月中旬に会社経由で通知→6月から翌年5月までの12回で天引き 中央区 住民税の申告から納付まで
特別徴収の納入期限 税額の12分の1を6月から翌年5月まで毎月徴収し、徴収した月の翌月10日までに納入する 地方税法321条の5、目黒区 個人住民税の給与からの特別徴収
給与の所得は特別徴収 前年に給与を受け、その年度の初日に給与を受けている人の給与所得に係る所得割と均等割は、特別徴収の方法で徴収する 地方税法321条の3第1項
給与以外の所得 条例により給与分に加算して特別徴収できる。ただし、申告書に普通徴収を希望する旨の記載があるときはこの限りでない 地方税法321条の3第2項

東京都と都内の区市町村は、平成29年度から原則としてすべての事業主を特別徴収義務者に指定しています(目黒区の案内)。会社員の住民税が給与天引きになっているのは、本人が選んだ結果ではなく、法律と自治体の運用でそう決まっているからです。

切り替えの手順(いつ・どこに出すか)

普通徴収と特別徴収が入れ替わるのは、主に退職・入社・独立のときです。手続きをするのは多くの場合会社側で、本人が気をつけるのは「いつから自分で払う側になるか」です。

場面 扱い 出典
1月1日から4月30日の間に退職 5月までの残りの月割額を、最後の給与や退職手当等から一括で徴収する(給与等がその全額を超える場合に限る) 地方税法321条の5第2項、目黒区
6月1日から12月31日の間に退職 翌月以降の分は会社に徴収の義務がなくなり、原則として普通徴収で本人が納める。本人が申し出れば、残りを一括で徴収してもらうこともできる 地方税法321条の5第2項
退職・転勤・休職で給与がなくなった 会社が、異動が発生した日の翌月10日までに異動届出書を提出する 目黒区
入社して普通徴収から特別徴収に変えたい 会社が特別徴収切替届出(依頼)書を提出する。普通徴収の納期限が過ぎた分は切り替えられない 目黒区

退職して独立する人が戸惑いやすいのは、住民税が前年の所得で決まる点です。総務省の説明どおり、退職した翌年度の住民税は会社員だった年の所得で計算され、給与の天引きがなくなった分は納税通知書で届きます。手順にすると次のとおりです。

  1. 退職日が1月1日〜4月30日か、6月1日〜12月31日かを確認する
  2. 6〜12月の退職なら、残りを一括で天引きしてもらうか、普通徴収に切り替えるかを会社に伝える
  3. 普通徴収になった場合は、市区町村から届く納税通知書の期別の納期限を手帳かカレンダーに入れる
  4. 次の会社にすぐ入るなら、普通徴収の納期限が来る前に、特別徴収への切り替えを新しい会社に依頼する
  5. 独立した年の所得は、翌年の確定申告か住民税の申告で市区町村に伝わり、翌年度の税額になる

年金や保険の切り替えと住民税は、窓口も時期も別々です。退職のときに国民年金の手続きで迷ったら、退職後の国民年金の免除の記事も合わせて読んでください。

個人事業主・副業の人の判断ポイント

副業がある人の住民税は、副業の所得が給与かどうかで扱いが分かれます。給与の副業は原則として本業の給与とまとめて特別徴収になり、普通徴収を選べるのは事業所得や雑所得などの給与以外の所得です。

立場・副業の形 住民税の徴収方法 確認できた根拠
会社員+給与の副業(アルバイトなど) 中央区では、令和9年度(令和8年中の所得)以降、すべての給与を合算して主たる給与の会社から特別徴収する。普通徴収を選んでも、給与から生じる住民税は特別徴収 中央区 給与所得が複数ある場合の住民税の徴収方法、地方税法321条の3
会社員+事業所得・雑所得の副業 確定申告書第二表「住民税・事業税に関する事項」の「給与、公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」で「自分で納付」を選べる(住民税の申告書なら同じ趣旨の欄) 文京区 副業がある場合の徴収方法、中央区
個人事業主(給与なし) 普通徴収。確定申告か住民税の申告をもとに、6月中旬頃に納税通知書が届く 中央区 住民税の申告から納付まで
一人法人の役員(役員報酬あり) 役員報酬は給与なので、自分の会社が特別徴収義務者として天引きして納める 地方税法321条の3、目黒区

給与以外の所得で「自分で納付」を選んでも、必ず普通徴収になるとは限りません。中央区は、申告した所得がマイナスの場合や、追加した控除が追加した所得より大きい場合などは、給与以外の所得の分も特別徴収になると案内しています。文京区は、確定申告期限内に第二表で選ぶこと、選んでも住民税額は変わらないこと、e-Taxで選べないときは税務課に問い合わせることを書いています。扱いは自治体ごとに違うので、お住まいの市区町村の案内で確認してください。

そして、徴収方法を考える前に確認するものがあります。勤務先の就業規則の副業規定です。厚生労働省の副業・兼業の促進に関するガイドライン(令和4年7月8日改定版)は、副業を希望する労働者は、まず勤めている企業の副業・兼業に関するルール(労働契約・就業規則等)を確認する必要があるとしています。同じガイドラインは、企業が副業を制限できる場合として、労務提供上の支障・業務上の秘密の漏洩・競業による利益の侵害・名誉や信用を損なう行為を挙げています。許可制か届出制か、競業の範囲はどこまでかを先に確かめるのが順番です。この記事は、勤務先に副業を知られないようにする方法は扱いません。

独立してからの立場で書くと、一人法人では、会社としての自分が社長としての自分の年末調整をして、給与支払報告書を市区町村に出す側に回ります(年末調整の記事に書いたとおりです)。会社員のときに何気なく済んでいた手続きが誰かの仕事だったと気づいたのも、独立してからでした。住民税の天引きも同じで、その裏側には、天引きした月の翌月10日までに納める会社側の期限があります。

よくある間違いと注意点

いちばん多い誤解は、普通徴収を選ぶと住民税の額が変わると思うことです。変わるのは納め方だけで、税額は同じです。

  • 給与の副業も普通徴収にできると思い込む:給与所得に係る住民税は地方税法で特別徴収が原則です。第二表で選べるのは「給与、公的年金等以外の所得」の分です
  • 徴収方法の欄を副業の手続きの代わりにする:この欄は住民税の納め方を決めるもので、勤務先への副業の申請や届出とは関係がありません。副業の可否は就業規則で確認します
  • 期限後に選ぼうとする:文京区は、確定申告期限内に確定申告書を出して「自分で納付」を選ぶよう案内しています。住民税の申告の期限は、世田谷区の場合3月15日です(世田谷区 住民税の申告)
  • 退職後の納税通知書を見落とす:6〜12月に退職して普通徴収に切り替わると、残りの税額は本人あての納税通知書で届きます。独立した最初の年は、前年の会社員時代の所得にかかる住民税を自分で払う年になります
  • 普通徴収の納期限を日付で覚えない:月は法律で決まっていても、日付は条例で決まります。中央区は各月の末日ですが、お住まいの市区町村の納税通知書で確認してください

この記事は最終更新日時点の制度で書いています。個別の判断(自分の会社がどうするか)は、税理士・司法書士・社労士に確認してください。住民税の個別の扱いは、お住まいの市区町村の税務課が確認先です。税理士の探し方はいい税理士の見分け方と探し方にまとめています。

住民税の普通徴収と特別徴収に関するよくある質問

副業の住民税は普通徴収にできますか?

副業が事業所得や雑所得なら、確定申告書第二表の「給与、公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」で「自分で納付」を選べます。副業がアルバイトなどの給与の場合、給与にかかる住民税は原則として特別徴収です。申告の内容によっては選んでも特別徴収になるので、お住まいの市区町村の案内で確認してください。

普通徴収の納付期限はいつですか?

地方税法は6月・8月・10月・1月中に条例で定めるとしていて、中央区では各月の末日が納期限です。税額が均等割以下の場合は6月の1回です。日付は市区町村で違うので、届いた納税通知書で確認します。

退職したら住民税はいつ普通徴収に切り替わりますか?

6月1日から12月31日の間に退職すると、翌月以降の分は原則として普通徴収になり、本人に納税通知書が届きます。本人が申し出れば残りを最後の給与などから一括で天引きしてもらえます。1月1日から4月30日の間の退職は、5月までの残りを一括で徴収するのが原則です。

普通徴収から特別徴収への切り替えはどうしますか?

入社した会社が、市区町村に特別徴収切替届出(依頼)書を出します。目黒区は、普通徴収の納期限が過ぎた分は切り替えられないと案内しているので、入社が決まったら早めに会社に依頼してください。

おわりに──普通徴収と特別徴収は、税額ではなく払う人の違い

普通徴収と特別徴収で変わるのは、住民税を払う人と回数だけです。税額は同じで、給与の分は会社が、給与以外の分は選べば自分が払います。だから副業で先に確かめるのは徴収方法の欄ではなく、就業規則の副業規定です。納め方は申告書で選べても、副業をしてよいかどうかは申告書では決まりません。

今日やることは1つです。勤務先の就業規則で、副業・兼業の条文が許可制か届出制かを確認してください。住民税の納め方は、その答えが出てから選べば間に合います。

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