転職戦略

転職エージェントの断り方|提案・面接・内定辞退の例文と断ってよい根拠

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結論:転職エージェントは、どの段階でも断れます

転職エージェントを断るのに、特別な理由はいりません。ぼく自身、博報堂からアクセンチュアへ転職したとき、複数のエージェントに並行で相談して、途中で連絡をやめたこともあれば、紹介された求人を「ちょっと違うな」と返したこともあります。断ったことでトラブルになった経験は一度もありません。

この記事では、提案・面接・内定辞退・担当変更の4場面に分けて、そのまま使えるメール例文を載せています。「断ったら気まずいかも」と感じている人は、まず次のセクションで「なぜ断っても大丈夫なのか」の構造的な理由を確認してください。

転職エージェントを断っても問題ない根拠

結論から言うと、転職エージェントのビジネスモデルが「成功報酬型」だからです。求職者が入社して初めてエージェントに報酬が発生する仕組みなので、途中で断られること自体は日常的に起きています。

成功報酬型の基本構造

一般的な転職エージェントの報酬は、入社者の理論年収の30〜35%と言われています。年収500万円なら150〜175万円です。逆に言えば、入社に至らなければ1円も入らない。だからエージェント側は「入社確度が低い人に時間を使いすぎるリスク」を最初から織り込んでいます。

ぼくはアクセンチュア時代に採用側として中途面接を多数担当しましたが、エージェント経由で紹介される候補者のうち、内定・入社まで進む人はほんの一握りでした。エージェント側もそれを分かったうえでビジネスをしています。

求職者に費用が発生しない理由

職業安定法の規定で、転職エージェント(有料職業紹介事業者)は原則として求職者から手数料を取れません。つまり、利用者が途中で断っても違約金やペナルティが発生する法的根拠がそもそもないわけです。

「断ったら悪いかな」と思う気持ちは分かります。ただ、それはマナーの問題であって、費用や契約上の問題ではありません。マナーを守った断り方さえできれば、遠慮する必要はまったくないです。

求人提案を断るときのメール例文

求人を紹介されて「合わないな」と感じたとき、一番やってはいけないのは無視することです。返事がないとエージェント側は「検討中かな」と思って連絡を重ねてきます。結果的にお互いの時間が無駄になります。

断るときは「理由」を一言添えるだけで十分です。詳しく書く必要はありません。

例文①:求人の方向性が合わないとき

件名:ご紹介いただいた求人について

◯◯様

お世話になっております。◯◯です。
ご紹介いただいた◯◯社の求人について、検討いたしました。
業務内容を拝見したところ、現在私が希望している◯◯の方向性とは少し異なると感じましたので、今回は見送らせていただければと思います。
引き続き、◯◯の領域での求人がございましたらご紹介いただけますと幸いです。
お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

例文②:他社経由で選考が進んでいるとき

件名:ご紹介求人の件(辞退のご連絡)

◯◯様

お世話になっております。◯◯です。
ご紹介いただいた求人について、ありがとうございます。
現在、別のエージェント経由で選考が進んでいる企業があり、そちらに集中したいと考えております。
せっかくご紹介いただいたのに申し訳ありません。
状況が変わりましたら、あらためてご相談させていただければ幸いです。

ポイントは「別のエージェントを使っている」と正直に書いても何も問題ないということです。エージェント側は複数併用が当たり前だと理解しています。隠すほうがかえって不自然です。

例文③:転職活動自体を一旦やめるとき

件名:転職活動の中断について

◯◯様

お世話になっております。◯◯です。
ここまでご支援いただきありがとうございます。
検討を重ねた結果、現時点では転職せず現職に留まることにしました。
今後あらためて転職を検討する際には、あらためてご相談できればと思います。
これまでのサポートに感謝しております。

「現職に留まる」は断り理由として最も伝えやすいです。エージェント側も「それなら仕方ない」と受け取りやすいので、角が立ちにくいです。

面接を辞退するときのメール例文

面接が設定された後に辞退するのは、求人提案を断るよりも少し気が引けると思います。でも、行く気がない面接を受けるのは企業側にも失礼です。辞退すると決めたら、できるだけ早く連絡するのが唯一のマナーです。

例文④:面接前に辞退するとき

件名:◯◯社 面接辞退のご連絡

◯◯様

お世話になっております。◯◯です。
◯月◯日に予定しております◯◯社の面接について、誠に恐れ入りますが辞退させていただきたくご連絡いたしました。
改めて自分のキャリアの方向性を考えた結果、◯◯社の求人とは優先順位が異なると判断いたしました。
日程を調整いただいたにもかかわらず申し訳ございません。
他にご紹介いただいている求人については、引き続きよろしくお願いいたします。

例文⑤:選考途中(二次面接以降)で辞退するとき

件名:◯◯社 選考辞退のお願い

◯◯様

お世話になっております。◯◯です。
◯◯社の選考について、次回の面接を辞退させていただきたくご連絡いたしました。
一次面接でお話を伺い、業務内容や組織の方向性について理解が深まりましたが、自分が貢献できる領域とは少しずれがあると感じました。
選考が進んだ段階での辞退となり、大変申し訳ございません。
◯◯様にはご調整いただき感謝しております。

選考途中の辞退では「一次面接で何を感じたのか」を一文でも添えると、エージェント側が企業へ辞退理由を伝えやすくなります。「なんとなく合わないと思った」だけでも、言語化して書くほうが親切です。

内定を辞退するときのメール例文

内定辞退は、断る場面の中で最もハードルが高いと思います。企業もエージェントも時間をかけた結果の内定なので、心理的に言い出しにくい。ただ、入社後に「やっぱり違った」となるほうが、全員にとってダメージが大きいです。

例文⑥:他社への入社を決めたとき

件名:◯◯社 内定辞退のご連絡

◯◯様

お世話になっております。◯◯です。
◯◯社より内定をいただいた件について、誠に心苦しいのですが辞退させていただきたくご連絡いたしました。
慎重に検討いたしましたが、他社からいただいたオファーのほうが、自分の今後のキャリアの方向性により合致していると判断いたしました。
◯◯様には求人のご紹介から面接対策まで丁寧にサポートいただき、心から感謝しております。
このたびはご期待に沿えず申し訳ございません。

例文⑦:転職自体を取りやめるとき

件名:◯◯社 内定辞退のご連絡

◯◯様

お世話になっております。◯◯です。
◯◯社よりいただいた内定について、辞退させていただきたくご連絡いたしました。
選考を通じて◯◯社の魅力を十分に感じましたが、最終的に現職でもう少しキャリアを積みたいという結論に至りました。
内定までご支援いただいたにもかかわらず、このようなご連絡となり大変申し訳ございません。
◯◯様のサポートには深く感謝しております。

内定辞退でやりがちなのが「返事を引き延ばす」ことです。気まずさから連絡を先延ばしにすると、企業側の採用スケジュール全体に影響します。決めたらその日のうちにメールを送る、これだけ守れば十分です。

担当者を変更してほしいときの伝え方

断りたいのは「転職エージェントそのもの」ではなく「担当のキャリアアドバイザー」という場合もあります。相性が合わない、レスポンスが遅い、希望と違う求人ばかり紹介される。そういうときは担当変更を申し出て大丈夫です。

ぼくの経験上、転職活動がうまく進まない原因の多くは「求人の質」ではなく「担当との意思疎通のずれ」でした。アクセンチュアで中途採用面接をしていたときも、「エージェントの担当者が候補者の希望をちゃんと把握していないな」と感じるケースは少なくなかったです。

例文⑧:担当変更を申し出るとき(担当者本人に送る場合)

件名:担当者変更のご相談

◯◯様

お世話になっております。◯◯です。
いつもサポートいただきありがとうございます。
ご相談なのですが、現在ご紹介いただいている求人の方向性と、私が希望するキャリアの方向性に少しずれがあると感じております。
可能であれば、◯◯業界(もしくは◯◯職種)に詳しい別のアドバイザーの方にご担当いただくことは可能でしょうか。
◯◯様のこれまでのサポートには感謝しておりますが、よりよいマッチングのためにご検討いただけますと幸いです。

担当者本人に直接伝えにくい場合は、エージェントの問い合わせフォームや代表窓口に連絡する方法もあります。大手エージェントであれば担当変更の仕組みが整っていることがほとんどです。

担当変更ではなくエージェント自体を変えるのもあり

担当変更しても状況が変わらないなら、そのエージェント自体が自分に合っていない可能性があります。総合型が合わないなら特化型に切り替える、あるいはその逆を試すのも手です。

「どのエージェントが自分に合うか分からない」という場合は、エージェントを紹介してくれるサービスもあります。 転職エージェントナビ では、自分の希望条件をもとにマッチするエージェントを紹介してもらえるので、エージェント選びの段階で迷っている人には向いています。無料で、所要時間は初回面談30分程度です。

特にマーケティング職の転職を考えている人は、マーケター転職エージェントおすすめ6選【使い分けの判断軸で選ぶ・2026年版】でマーケター向けのエージェントを判断軸つきで整理しているので、参考になります。

断るときに守りたいマナーは3つだけ

断ること自体は問題ないですが、伝え方で印象は変わります。守るべきマナーは3つだけです。

  • 早く伝える:決めたその日にメールする。翌日でもいいけど、1週間放置しない
  • 理由を一言添える:「方向性が違う」「他社に決めた」「現職に残る」のどれかで十分
  • 感謝を忘れない:エージェントも人間。ここまでの対応へのお礼は一文入れる

逆に言えば、この3つさえ押さえていれば、断ること自体に罪悪感を持つ必要はありません。ぼくも2回の転職活動で何度も断ってきましたが、丁寧に伝えれば関係が悪化したことは一度もなかったです。

メールで断りにくいときの対処法

「メールだと冷たい印象になりそう」「電話のほうがいいのかな」と迷う人もいると思います。

基本的にはメールで問題ありません。エージェント側も記録が残るメールのほうが社内共有しやすいので、むしろ歓迎されることが多いです。

ただ、以下の場合は電話を併用するほうが丁寧です。

  • 内定辞退で、担当者が長期間サポートしてくれた場合
  • 面接日が翌日や当日に迫っている場合(メールだと間に合わないリスクがある)
  • 担当者から「何かあれば電話でも」と言われている場合

電話の場合も、伝える内容はメール例文と同じです。「辞退したい」「理由はこう」「ありがとうございました」の3点を簡潔に伝えれば大丈夫です。電話した後に「先ほどお電話した内容のご確認です」とメールを送っておくと、行き違いも防げます。

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転職エージェントが辞退させてくれないときの対処

辞退するかどうかを決めるのは求職者本人で、エージェントに止める権限はありません。職業安定法の第2条は「何人も、公共の福祉に反しない限り、職業を自由に選択することができる」と定めていて、求人を紹介されたからといって、応募や入社を続ける義務は生まれません。

それでも、「もう一度だけ考えてほしい」と何度も電話が来たり、「ここで辞退すると企業に迷惑がかかる」と言われたりして、断り切れなくなる人はいます。よくある言われ方と、実際のところ、返し方を表にしておきます。

言われること 実際のところ 返し方の例
「もう一度だけ考え直してもらえませんか」 念のための確認として聞かれることが多く、結論を変える必要はありません 「検討したうえでの結論です。決定は変わりません」と、同じ言葉を落ち着いて繰り返す
「企業に失礼になる」「紹介した私の立場がない」 辞退は採用活動の中で想定されています。相手の気持ちへの配慮と、決定を変えることは別の話です 「ここまでのご尽力に感謝しています。そのうえで辞退させてください」と、感謝と結論を分けて伝える
「内定を承諾したあとは辞退できない」 承諾後でも辞退の申し出はできる、というのが一般的な考え方です。期間の定めのない雇用について、民法第627条は「いつでも解約の申入れをすることができる」とし、申入れの日から2週間で終わると定めています 決めたらすぐ、企業とエージェントの両方にメールで伝える。入社日が迫っている、誓約書がある、といった個別の事情は、総合労働相談コーナーなどで確認する
「辞退するなら、面談か電話で直接」 来社や電話は義務ではありません。記録が残るメールのほうが、行き違いも起きにくいです 「メールでお伝えさせてください」と返し、内容はメールで送る
電話に出るまで連絡が続く 一度メールで結論を送っていれば、それ以上の電話に出る必要はありません 「先日メールでお伝えしたとおりです」と、一度だけ短く返信する

内定承諾後の辞退は、企業の採用計画に影響が出るのも事実です。承諾するかどうかで迷っているうちに、内定後に迷ったときの考え方で整理しておくと、承諾してから取り消す事態を避けやすくなります。

それでも連絡が止まらない、強い言葉で責められる、といったときは、担当者を変えてもらうか、エージェント会社の問い合わせ窓口に連絡するのがいいです。上の「担当者を変更してほしいときの伝え方」の例文がそのまま使えます。職業紹介事業者についての相談は、都道府県労働局が窓口になっています。この節は一般的な情報の整理で、個別の契約や法的な判断は専門の窓口で確かめてください。

辞退理由の伝え方と例文──本音をそのまま言わなくていい

辞退理由は、「方向性が違う」「他社に決めた」「現職に残る」のどれかに収まれば十分です。本音をそのまま書く必要はありませんが、嘘をつく必要もありません。辞退理由は、エージェントが次の提案を調整するための情報なので、事実を短く伝えるのがいちばん角が立ちません。

本音と、伝えるときの言い方を並べると、次のようになります。

本音 伝え方の例 ポイント
年収が希望に届かなかった 「条件面で、今回は希望と合わないと判断しました」 金額を細かく書くと条件交渉が始まりやすいので、決めたあとは「条件面」でまとめる
社風や面接官の印象が合わなかった 「選考を通じて、働き方のイメージが自分の希望と異なると感じました」 人への評価ではなく、自分の希望との違いとして言う
仕事内容が思っていたものと違った 「業務内容を伺い、自分が伸ばしたい経験と方向性が違うと判断しました」 何が違ったかを一言添えると、次の提案の精度が上がる
他社に決めた 「他社からいただいたオファーに入社することにしました」 社名は言わなくていい
現職に残る 「現職で取り組みたいことが見えたため、今回は転職を見送ります」 会社からの引き止めの中身まで書かなくていい(引き止めの受け止め方はカウンターオファーとはで整理しています)
家庭の事情や体調 「家庭の事情により、現時点での転職が難しくなりました」 詳しく説明する義務はない
転職そのものに迷いが出た 「あらためて考え、今は転職のタイミングではないと判断しました」 再開するときに、同じエージェントへ相談しやすい言い方

メールにするときは、上の「求人提案を断るとき」「内定を辞退するとき」の例文のうち、理由の一文だけをこの表の言い方に差し替えれば使えます。

よくある質問

断ったあと、同じエージェントにまた相談できますか?

できます。登録情報は通常そのまま残っているので、「以前お世話になりました」と連絡すれば再開できます。ぼくも1回目に見送ったエージェントに、半年後にあらためて相談したことがあります。丁寧に断っていれば、気まずさもほぼありません。

断りの連絡を無視し続けたらどうなりますか?

法的なペナルティはありません。ただ、エージェント側のデータベースに「連絡がつかない人」として記録が残る可能性はあります。将来また使いたいと思ったとき、優先度が下がるリスクはあるので、一言でも返信しておくほうが自分のためです。

内定辞退をしたら企業のブラックリストに載りますか?

通常は載りません。企業側も採用活動で辞退されることは想定済みです。ただ、内定承諾後に辞退する場合は企業の心証が悪くなることはあります。「承諾」と「辞退」をなるべく短期間で繰り返さないことが大事です。

断る理由は正直に言わないとダメですか?

嘘をつく必要はないですが、すべてを詳しく説明する義務もありません。「方向性が異なるため」「他社で選考が進んでいるため」「現職に留まるため」のように、大枠が伝わればそれで十分です。年収や社風など細かい不満を伝えると、エージェント側が条件交渉に動いて話が長引くこともあるので、シンプルに伝えるのがいいです。

電話で引き止められたらどう対応すればいいですか?

「ありがたいお話ですが、自分の中で結論が出ているので」と伝えれば大丈夫です。エージェント側が引き止めるのは、悪意ではなく業務上の確認であることがほとんどです。理由をもう一度簡潔に繰り返して、「決定は変わりません」と落ち着いて伝えれば、それ以上食い下がられることはまずありません。

断ることは、自分のキャリアを選ぶことです

ぼくは博報堂に13年いて、アクセンチュアに5年いて、40歳で独立しました。2回の転職活動で、たくさんの求人を紹介されて、たくさん断りました。

断るたびに少し申し訳ない気持ちになったのは事実です。でも、断らなかったら「なんとなく流されて入社する」という結果になっていたかもしれない。合わないものを合わないと伝えるのは、自分のキャリアに対して誠実でいるということだと思っています。

エージェントはあくまで「サポートしてくれる人」であって「決める人」ではありません。断ること自体に後ろめたさを感じる必要はなくて、大事なのは断り方だけです。この記事の例文は、そのまま参考にしてもらって構いません。

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