マーケの目

MAUとDAUの違いとは?計算方法とDAU/MAU比率の目安、WAUとの関係

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最終更新:2026年10月17日

MAUとは月間アクティブユーザー数、DAUとは日間アクティブユーザー数のことで、どちらも「その期間に1回以上サービスを使った人の数」を数えます。違いは数える期間の長さだけですが、MAUは「どれだけ多くの人に届いているか」という広さを、DAUは「どれだけ毎日の暮らしに入り込んでいるか」という深さを表します。隣の言葉のARPU(1ユーザーあたりの平均売上)が「1人がいくら払っているか」を見る金額の指標なのに対して、MAUとDAUは「何人が使っているか」を見る人数の指標です。結論から書くと、二つは大きさを比べるものではなく、DAUをMAUで割った比率(DAU/MAU)にしてはじめて、使われ方の質が見えてきます。

MAUとDAUの違い一覧

MAUは1か月のあいだに一度でも使った人の数、DAUは1日のあいだに使った人の数です。同じ人が1か月に20日使っても、MAUでは1人、DAUでは毎日1人ずつ数えられます。

あいだに入るWAU(週間アクティブユーザー数)と、DAUをMAUで割ったスティッキネス(定着度)までを一枚にまとめました。

指標 日本語 数える期間 何がわかるか 向いているサービス
MAU(Monthly Active Users) 月間アクティブユーザー数 1か月(GA4では過去30日間) どれだけ多くの人に届いているか(広さ) 月に数回使えば十分なもの(家計簿、予約、EC)
WAU(Weekly Active Users) 週間アクティブユーザー数 1週間(過去7日間) 週の習慣になっているか 週に何度か使うもの(業務ツール、動画配信)
DAU(Daily Active Users) 日間アクティブユーザー数 1日(過去24時間) 毎日の暮らしに入っているか(深さ) 毎日使うもの(メッセージ、SNS、ゲーム)
DAU/MAU スティッキネス(定着度) DAU ÷ MAU 月に来た人のうち、毎日来ている人の割合 毎日使う前提のサービスの健康診断

MAUとDAUは足し算や大小の比較で読むと間違えます。DAUの1か月分を足すと同じ人が何度も数えられるので、MAUよりずっと大きな数字になるからです。この二つは、割り算でつなげて読むものです。

MAUとは/DAUとは──定義と出どころ

MAUとDAUは、どちらも「アクティブ」の定義を決めてから数える人数です。何をしたら「使った」と数えるかは会社やサービスごとに違い、その定義が数字の中身を決めます。

米国のベンチャーキャピタルのセコイア・キャピタルは、データサイエンスチームの記事「Measuring Product Health」で、ある日にプロダクトを使った人の総数をDAU、ある週の重複なしの人数をWAU、ある月の重複なしの人数をMAUと定義しています(セコイア・キャピタル「Measuring Product Health」)。同じ記事は、DAUとMAUの比率を「プロダクトがどれだけ定着しているか」を表す、定着度の指標として最も広く使われているものだと説明しています。

Googleアナリティクス4(GA4)には、この比率が最初から用意されています。ヘルプの「ユーザーのロイヤリティ」では、DAUを過去24時間、WAUを過去7日間、MAUを過去30日間のアクティブユーザー数とし、DAU/MAU・DAU/WAU・WAU/MAUの3つを自動で計算すると説明しています。全員が毎日使えばDAU/MAUは100%になります(Google アナリティクス ヘルプ「ユーザーのロイヤリティ」)。GA4の「1か月」は暦の月ではなく、直近30日間です。

上場企業の開示でも、定義はそれぞれ違います。LINEヤフーは、LINEの国内月間利用者数が2025年12月末時点で1億ユーザーを超えたと発表しました。数え方は、スマートフォンに紐付くLINEアカウントを持つiOS・Androidのユーザーのうち、1か月の間に一度でもLINEを起動したアカウントの数です(LINEヤフー「LINE、国内月間利用者数が1億ユーザーを突破」)。ここでの「使った」は「起動した」で、人ではなくアカウントを数えています。

混同されやすい理由と、間違えると起きること

MAUとDAUが混同されやすいのは、どちらも「ユーザー数」と呼ばれて、同じ報告書の同じ列に並ぶからです。でもMAUは重複を除いた人数、DAUの合計は延べの人数で、性質の違う数字です。

架空のアプリで計算してみます。下の数字はすべて説明のための「例」です。

項目 例の数字 計算
MAU(30日間) 100,000人 30日間に1回以上使った人(重複なし)
WAU(7日間の平均) 45,000人 ―
DAU(1日の平均) 20,000人 ―
DAU/MAU 20% 20,000 ÷ 100,000
DAU/WAU 約44% 20,000 ÷ 45,000
DAUの30日分の合計(延べ) 600,000人 20,000 × 30日
1人あたりの月の利用日数 6日 600,000 ÷ 100,000(= DAU/MAU 20% × 30日)

DAU/MAUに30を掛けると、月に来た人が平均で何日使っているかに読み替えられます。20%なら月に6日、つまり週に1〜2日のペースです。比率のままだとぴんと来ない数字も、日数に直すと使われ方が想像しやすくなります。

広告やキャンペーンの報告で起きやすい誤読を、正しい読み方と対にしました。

誤読の型 正しい読み方
DAUを30倍すればMAUになる 同じ人が何度も数えられるので、MAUより大きくなる。例では60万人とMAU10万人で6倍の開きがある
キャンペーンでMAUが10万人から15万人に増えたから成功 DAUの平均が2.3万人にしか増えていなければ、DAU/MAUは20%から約15.3%に下がっている。来た人の多くが戻っていない
DAUが前日より増えたから伸びている 曜日や配信日で上下する数字なので、前週の同じ曜日か、7日平均で比べる
他社のMAUと比べて自社は小さい 「使った」の定義(起動・ログイン・特定の操作)と期間(暦月・30日)がそろっていなければ比べられない

2つ目は、広告の報告を読む立場でいちばん見落としやすいものです。ぼくもキャンペーン後のMAUの伸びだけを見て、うまくいったと受け取りかけたことがあります。新しく来た人がそのまま残っているかは、MAUの増減ではなく、始めた時期をそろえて追うリテンション率の計算方法と目安で確かめます。

どちらを使うべきか・使い分けの判断

MAUとDAUのどちらを主な指標にするかは、そのサービスが「本来どのくらいの頻度で使われるものか」で決めます。セコイア・キャピタルの同じ記事も、トップの指標は想定される利用頻度に合わせて選ぶよう勧めています。

場面 主に見る指標 理由
メッセージ・SNS・毎日遊ぶゲーム DAU、DAU/MAU 毎日使われることが価値の中心。比率が下がると習慣が崩れている
業務ツール・週に何度か見る配信 WAU、WAU/MAU 土日に使わないのが自然。DAUで見ると週末のたびに悪化して見える
家計簿・予約・EC・保険の手続き MAU、月の利用日数 毎日使われる必要がない。DAU/MAUが低くても不健康とは言えない
広告媒体としての規模を伝える MAU(定義を添えて) 届く人数の広さを示す数字。定義と期間を必ず書く

DAU/MAUの目安については、出典を確かめられたものだけ書きます。セコイア・キャピタルの記事は、DAU/MAUが0.6(60%)なら月に来る人の60%が毎日も来ていることを意味し、一般にとても健康な状態だとしています。成長初期のソーシャル系プロダクトは30%程度と比較的小さくなりやすいこと、SMSのようなメッセージ系はフェイスブックのようなソーシャル系より高くなること、具体的な値は事業や想定される使われ方に強く左右されることも書かれています。

ネットでは「DAU/MAUは10〜20%が標準」という数字がセコイア・キャピタルの発言として引かれていることがあります。ただ、同社の公開記事の中でこの数字は確認できず、一次出典にはたどりつけませんでした。業種別の平均値も、出典がはっきりしたものは見当たりません。比べる相手は他社の平均ではなく、自社の先月の比率です。

上場企業の開示から実際の比率を計算できる例もあります。Metaは2023年第4四半期の決算で、フェイスブックのDAUを2023年12月の平均で21.1億人、MAUを12月31日時点で30.7億人と発表しています(Meta「2023年第4四半期・通期決算」)。ぼくが割り算すると約69%で、毎日使われるサービスがどのくらいの水準になるかの手がかりになります。ただ、これは世界最大級のSNSの数字なので、そのまま自社の目標にするものではありません。

日本市場・2026年時点での注意点

2026年のMAUとDAUは、「人数をどう数えるか」が会社ごとにますます分かれています。公表されたMAUを並べる前に、数えている単位と期間を確かめる必要があります。

Metaは2023年の年次報告書(Form 10-K)で、2024年第1四半期の四半期報告書からDAU・MAU・ARPUなどを載せないと書き、その後はフェイスブックやインスタグラムなどのアプリ群を合わせた「Family daily active people(DAP)」を中心に開示しています。2026年第2四半期の決算では、2026年6月の平均が36.0億人でした(Meta「2026年第2四半期決算」)。アプリ単位のアカウントではなく、複数のアプリをまたいだ人を数える方向に変わっています。一つのアプリのMAUだけでは、事業の大きさを測りにくくなっています。

日本で広告媒体を選ぶときは、媒体資料のMAUが「起動」なのか「ログイン」なのか、「アカウント」なのか「人」なのかを確かめます。上のLINEの例のように、アカウント単位で数えた数字は、一人が複数のアカウントを持てば人数より大きくなります。

自社のサイトやアプリでMAUを見る場合は、GA4の「アクティブユーザー」の定義と、Cookieの同意を得られなかった人の計測の欠けも頭に入れておきます。DAUが急に増えたときは、広告の配信開始やボットのアクセスが混ざっていないかを先に疑うほうが安全です。SNSの反応率で使われ方を見る方法はエンゲージメント率の計算方法とSNS・GA4での意味の違いに書きました。

MAUとDAUに関するよくある質問

MAUとDAUは、結局どちらか一つ見れば十分ではないですか?

一つだけでは足りません。MAUだけでは来た人が戻っているかがわからず、DAUだけでは届いている範囲の広さがわかりません。二つを割り算したDAU/MAUにすると、広さと深さの関係が一つの数字で見えるので、両方を並べて記録しておくのが確実です。

DAU/MAU比率の平均や目安はありますか?

業種をまたいで使える、出典のはっきりした平均値は見当たりません。セコイア・キャピタルの記事は、60%ならとても健康、成長初期のソーシャル系は30%程度という例を挙げつつ、値は事業と使われ方で大きく変わるとしています。自社の過去の比率と比べて、上がっているか下がっているかで読むのが確かです。

MAUは暦の1か月と直近30日のどちらで数えますか?

決まりはなく、会社やツールによって違います。GA4は直近30日間で数え、企業の発表では「1か月の間」や「月末時点」と書かれることがあります。比べるときは期間の数え方がそろっているかを先に確かめます。

検索すると大学の名前が出てくるのはなぜですか?

MAUは武蔵野美術大学の英語の略称としても使われているためです。この記事で扱っているのは、アプリやWebサービスの月間アクティブユーザー数としてのMAUです。調べるときは「MAU アプリ」「MAU マーケティング」のように言葉を足すと混ざりにくくなります。

おわりに──MAUは来た人の数、DAUは戻る理由の数

MAUは来た人の数、DAUは戻る理由の数です。この記事の一行を選ぶなら、これになります。

MAUとDAUは、どちらが大きいか、どちらが大事かを競う指標ではありません。MAUを分母に、DAUを分子に置いたとき、その比率が「来てくれた人のうち、何割の毎日に入れたか」を教えてくれます。広告で人を連れてくればMAUは増えます。でも戻る理由がなければ、比率は静かに下がっていきます。

だからMAUの伸びを報告で見るときは、その横にDAU/MAUが並んでいるかを確かめたいと思っています。人数の大きさより、習慣になった割合のほうが、そのサービスの明日をよく表すからです。指標の読み方で迷うことがあれば、ぼくのXアカウント(@yosooi3)に問いかけてもらえれば、できる範囲で答えようと思います。

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