転職戦略

転職エージェントは何社掛け持ちすべきか。マーケターの現実解

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結論:掛け持ちは2〜3社。それ以上は管理が破綻する

転職エージェントの掛け持ちは、2〜3社がちょうどいいです。ぼく自身、博報堂からアクセンチュアへ転職したときは3社に登録しました。でも実際にやり取りが続いたのは2社だけで、残り1社はほぼ放置状態になりました。

「多く登録したほうが求人が増えて有利」とよく書かれていますが、現実はそう単純ではないです。「登録社数が多い=転職成功率が上がる」という話をよく見かけますが、その数字には「登録だけして使わなかった」ものも含まれています。実際に並行してやり取りを続けた数とは違います。

だから、この記事では「何社に登録するか」ではなく「何社を同時に動かすか」に絞って書きます。連絡管理・スケジュール調整・使い分けの実務面から、掛け持ちで破綻しない方法を整理しました。

掛け持ちの数より「組み合わせ」で決まる

同じタイプのエージェントを3社並べても、出てくる求人は似たものばかりです。数を増やす意味がほとんどないです。

掛け持ちで効果が出るのは、「役割の違うエージェント」を組み合わせたときです。具体的には、以下の2タイプをそれぞれ1〜2社ずつ持つのが現実的な形になります。

  • 大手総合型(1社):求人の網羅性が高い。市場全体を把握するために使う。リクルートエージェントやdodaなど
  • 専門特化型(1〜2社):自分の職種・業界に詳しい担当者がつく。求人の質と、面談での理解の深さに差が出る

ぼくはマーケティング職の採用面接をアクセンチュア時代に何度も担当しましたが、候補者のレジュメを見ると「エージェントの質」が透けて見えることがあります。職務経歴書の書き方、求人とのマッチ度、面接での受け答えの準備。専門特化型のエージェントを使っている人は、そのあたりが明らかに整っていることが多かったです。

マーケターの転職でいえば、大手総合型を1社、マーケティング職に強い特化型を1〜2社という組み合わせがベースになります。具体的にどのエージェントをどう選ぶかは、マーケター転職エージェントおすすめ6選【使い分けの判断軸で選ぶ・2026年版】で判断軸ごとに整理しています。

掛け持ちすると実際に何が起きるか

「2〜3社なら余裕でしょ」と思うかもしれないですが、在職中に転職活動をする場合、想像以上に手が回らなくなります。ぼくが経験した「掛け持ちで起きること」を包み隠さず書きます。

連絡の量が一気に増える

エージェント1社あたり、週に3〜5件の求人紹介メールが届きます。3社なら週に10〜15件。それぞれに「応募する/しない」の返事をしなければいけないです。返事が遅れると求人が埋まることもあるので、放置しにくい。

あと、担当者からの電話やチャットも入ります。在職中だと業務時間中に対応できないことが多く、夜にまとめて返信する生活がしばらく続きます。

面接日程の調整が重なる

複数のエージェント経由で応募すると、面接の日程調整を別々の担当者とやることになります。「A社の一次面接とB社の最終面接が同じ日に入ってしまった」というのは珍しくないです。

自分で全体のスケジュールを把握しておかないと、ダブルブッキングが起きます。エージェント同士は当然連携していないので、管理は完全に自分の仕事です。

同じ求人が別のエージェントから届く

大手企業の求人は複数のエージェントに出されていることが多いです。2社から同じ求人を紹介されて、片方から応募してしまったあとにもう片方からも推薦されると、企業側に「重複応募」として扱われるリスクがあります。これは印象が悪いです。

重複応募は選考に影響する場合があります。「どのエージェント経由でどの企業に応募したか」は必ず記録しておく必要があります。

掛け持ちの連絡管理を破綻させない方法

ぼくが実際にやっていた管理方法は、地味です。でも、これ以上にシンプルで確実な方法はないと思っています。

スプレッドシート1枚で全体を管理する

グーグルスプレッドシートに以下の列を作って、応募するたびに1行追加するだけです。

  • 企業名
  • 経由エージェント名
  • 応募日
  • 選考ステータス(書類選考中/一次面接済み/見送りなど)
  • 次のアクション予定日
  • 備考(面接で聞かれたこと、感想など)

これだけで重複応募は防げます。あと、面接前に「前回何を聞かれたか」を振り返れるので、準備の質も上がります。

メインエージェントを1社決める

2〜3社に登録しても、「相談の軸」になるエージェントは1社に決めたほうがいいです。キャリアの方向性やオファー条件の比較など、意思決定に関わる相談をすべてのエージェントにバラバラにすると、アドバイスが食い違ったときに自分が混乱します。

メインを1社決めて、そこに深い相談をする。残りのエージェントは「求人の幅を広げる補助」として使う。この役割分けが掛け持ちを回すコツです。

断るときのルールを先に決めておく

掛け持ちしていると、途中で「このエージェントはもう使わないな」と思う瞬間が来ます。そのときに気まずくて放置してしまう人が多いですが、それは担当者にも失礼だし、自分の管理コストも無駄に残ります。

「2週間やり取りしてみて、紹介される求人がズレていたら正直に伝えて止める」など、自分なりの基準を最初に決めておくと、判断が楽になります。断りの連絡は「他のエージェントで選考が進んでいるため、いったんお休みさせてください」で十分です。怒られることはまずないです。

4社以上の掛け持ちをすすめない理由

管理が破綻するから、というだけではないです。4社以上になると、もっと根本的な問題が出てきます。

担当者との関係が薄くなる

転職エージェントの担当者も人間なので、レスポンスが早い候補者、コミュニケーションが丁寧な候補者を優先的にサポートする傾向があります。4社以上に登録すると、1社あたりに割ける時間が減って、どのエージェントからも「薄い対応の候補者」に見えてしまいます。

結果として、非公開求人を優先的に紹介してもらえなかったり、面接対策のサポートが手薄になったりします。「たくさん登録したのに、どこからも良い求人が来ない」という状態は、実はこれが原因であることが多いです。

自分の判断軸がブレる

エージェントが増えると、それぞれの担当者から異なる意見をもらうことになります。「年収を優先すべき」「いや、ポジションの中身で選ぶべき」「この業界は今が入り時」。どれも正しいように聞こえますが、意見が多すぎると自分の軸が分からなくなります。

ぼくがアクセンチュアに転職したときも、ある担当者からは「コンサルは激務だからやめたほうがいい」と言われ、別の担当者からは「広告業界の経験がコンサルで活きる」と言われました。2社だったから整理できましたが、これが4社5社からバラバラに言われたら、たぶん動けなくなっていたと思います。

マーケターの転職で掛け持ちする場合の組み合わせ例

マーケティング職に絞ると、掛け持ちの組み合わせは比較的パターン化できます。経験年数や転職の目的別に整理します。

経験3年未満(第二新卒〜若手)の場合

  • 大手総合型1社:求人の選択肢を広く持つ。未経験歓迎の求人も拾える
  • マーケ特化型1社:職種理解のある担当者に職務経歴書を見てもらう

計2社が目安です。若手のうちは選考スピードが速い企業も多いので、管理の負荷を抑えたほうが1社1社の対策に集中できます。

経験5年以上(ミドル〜シニア)の場合

  • 大手総合型1社:マネジメントポジションや異業種の求人を広く見る
  • マーケ特化型1〜2社:CMO・マーケ部長クラスの非公開求人を持っている可能性がある

計2〜3社です。ミドル以上は求人数自体が少ないので、特化型を2社にして非公開求人の網を広げるのが現実的です。

マーケティング特化型のエージェントとしては、広告・ウェブ業界の専門職に強いマスメディアンのように、業界構造を理解した上で求人を紹介してくれるところを1社入れておくと、大手総合型だけでは見えない選択肢が出てきます。

マスメディアン

どのエージェントが自分の状況に合うかを判断軸ごとに比較したい場合は、マーケター転職エージェントおすすめ6選【使い分けの判断軸で選ぶ・2026年版】でまとめています。「数」を決めたあと、「どこに登録するか」を選ぶ段階で参考にしてもらえればと思います。

よくある質問

転職エージェントの掛け持ちは担当者に伝えるべきですか?

伝えて問題ないです。むしろ伝えたほうがいいです。他社と比較されていると分かれば、担当者も対応のスピードや求人の質を意識してくれます。ぼくは「他にも1社相談しています」と初回の面談で伝えていました。嫌な顔をされたことは一度もないです。

掛け持ちしていて同じ企業に重複応募してしまったらどうなりますか?

企業側から「別のエージェント経由で応募済みです」と連絡が入り、後から応募したほうが無効になるのが一般的です。選考自体が取り消されるケースもあるので、応募済み企業のリストは必ずスプレッドシートなどで管理してください。

途中で1社に絞っても大丈夫ですか?

大丈夫です。選考が進むにつれて、やり取りが集中するエージェントが自然と決まってきます。使わなくなったエージェントには「他で選考が進んでいるため、いったん活動を止めます」と連絡すれば、角が立たずに終えられます。再開したくなったらまた連絡すれば対応してもらえます。

転職サイトとエージェントの掛け持ちは別でカウントすべきですか?

転職サイト(自分で求人を検索して応募するタイプ)は、エージェントとは管理の負荷がまったく違います。サイトは自分のペースで見るだけなので、エージェント2〜3社+転職サイト1〜2つ、という使い方は無理なく回せます。ただし、サイト経由の応募もスプレッドシートには記録しておく必要があります。

掛け持ちの「数」は手段であって目的ではない

ぼくが2回の転職で学んだのは、エージェントの数を増やしても、自分の判断軸が定まっていなければ意味がないということです。

3社に登録して、3社とも「なんとなく」やり取りを続けるより、2社に絞って1社をメインに深く使い倒すほうが、結果的に良い転職になりやすいです。

「何社にするか」を決めたら、次は「どのエージェントを選ぶか」です。そこが転職活動の本番だと思っています。

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