転職戦略

未経験からマーケティング転職する3ルート【採用側視点で比較】

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最終更新:2026年10月18日

未経験からマーケターになるルートは3つある

未経験からマーケターになるルートは、スクール・マーケ特化エージェント・社内異動の3つです。時間とお金をなるべくかけずに最短でマーケ職に就きたいなら、特化エージェント経由で広告運用職から入るのがいちばん現実的です。

  • スクールでスキルを身につけてから転職する
  • マーケティング特化エージェントで「運用職」から入る
  • いまの会社で社内異動・兼務からマーケに入る

ぼくは博報堂とアクセンチュアにいたころ、中途採用の面接をする側にいました。「未経験だけどマーケティングをやりたい」という候補者と向き合うたびに感じていたのは、全員に合う正解はないことです。合うルートは、年齢・使える時間・予算・リスクの取り方で変わります。

そのうえで最短ルートを1つ挙げるなら、広告運用です。広告・マーケ職の転職支援をしているマスメディアンも、未経験からの狙い目として営業職とデジタル広告運用担当を挙げています。

マスメディアンの転職支援は無料で、面談はWebか電話で受けられます。どんなマーケ求人があるかを見るだけでも、業界の温度感がつかめます。

この記事では、採用する側にいた経験をもとに、3ルートの向き不向き・期間・費用・採用側の評価を比べていきます。数字は、公的統計と各社の公式ページで確認できたものだけを載せています。

3ルートの比較【向き不向き・期間・費用・採用評価】

3ルートの違いは、お金・時間・リスクのどれを払うかです。スクールはお金と時間を先に払い、特化エージェントはお金をかけずに早く動け、社内異動は転職のリスクを取らずに済みます。

スクール 特化エージェント 社内異動・兼務
向いている人 体系的に学びたい。時間と資金に余裕がある 早く実務に入りたい。費用をかけたくない 転職リスクを取りたくない。社内にマーケ部門がある
動き出しまでの期間 学習期間+転職活動(学習期間はコースで異なる) 登録後すぐ相談できる。内定までは選考次第 社内の異動時期と調整次第で、長くかかることもある
費用 コースで大きく異なる(公式サイトで確認)。教育訓練給付の対象講座なら一部が支給される 無料(求職者の負担なし) 0円
採用側の評価 ポートフォリオの質次第。通っただけでは加点にならない 特化エージェントの推薦が信頼材料になる 社内実績を数字で語れるなら評価される
リスク 費用が先行する。転職の保証はない 未経験向けの求人は職種が限られる 異動が通らない・ポジションが中途半端になる

ここからは、それぞれのルートを掘り下げます。

ルート①|スクールでスキルを身につけてから転職する

スクールは、Webマーケティングの基礎・広告運用・アクセス解析・SEOを体系的に学べるルートです。「何もわからない状態で面接に行くのが怖い」という人には、心理的な安心材料にもなります。

向いている人

  • 在職中でも夜間・週末にまとまった学習時間を確保できる
  • 受講料を自分で出せる(金額はコースによって大きく違います)
  • 独学だと何から手をつけていいかわからない

採用側がスクール出身者に期待するもの

「スクール卒」という肩書き自体に、採用側はそこまで反応しません。ぼくが面接で見ていたのは「スクールで何を作ったか」のほうでした。

たとえば、自分でサイトを立ち上げてグーグル広告を回した結果をポートフォリオとして持ってくる人と、「カリキュラムを修了しました」だけの人では、評価がまるで変わります。スクールはあくまで武器を作る場所で、通った事実そのものは武器になりません。ここを誤解している人は、けっこう多い印象があります。

スクールの費用と期間の目安

スクールの料金と期間はコースや受講形態でかなり違うので、相場を一言で言い切るのは難しいです。たとえばインターネット・アカデミーは、Web担当者コースやWebマーケティング講座など、マーケ系のコースを複数持っていて、無料カウンセリングも受けられます。料金と期間はコースごとに違うので、公式サイトで確認するのが確実です。

受講料の負担を減らしたいなら、国の教育訓練給付制度も知っておいて損はないです。雇用保険の加入期間などの条件を満たせば、厚生労働大臣が指定した講座の受講料の一部が支給されます。給付率は講座の種類で違い、一般教育訓練は20%(上限10万円)、専門実践教育訓練は基本50%で、条件を満たすと最大80%です(ハローワーク「教育訓練給付制度」)。対象になるかどうかは、講座ごとに確認が必要です。

どのスクールを選ぶにしても、判断基準は「カリキュラムの中で自分のアウトプットを作れるかどうか」です。座学だけで終わるスクールだと、面接に持っていける武器がないまま転職活動に入ることになります。

ルート②|マーケ特化エージェントで「運用職」から入る

未経験の人がいちばん入りやすいマーケティング職は、広告運用です。人が足りていない領域なので、経験の長さより「数字と向き合えそうか」で入口に立てます。

なぜ「広告運用」が未経験の入口になるのか

広告のお金は、いまや半分以上がインターネットに流れています。電通「2025年 日本の広告費」では、インターネット広告費が4兆459億円(前年比110.8%)で、総広告費8兆623億円の50.2%を占め、初めて過半数になりました。新聞・雑誌・ラジオ・テレビのマスコミ四媒体は、合計で2兆2,980億円です。

市場が伸びるぶん、運用する人が足りません。厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)の「Webマーケティング(ネット広告・販売促進)」でも、急拡大している分野で人材不足の状態にあり、新卒採用以外の入職の機会も多いと説明されています。入職に特定の学歴や資格は必要とされていません。

ただ、甘い市場でもありません。同じページに載っているハローワークの有効求人倍率(令和7年度)は0.47で、求人より求職者のほうが多い数字です。ハローワーク経由の求人だけの数字なので民間の転職サービスの求人は含まれませんが、「未経験歓迎」の文字だけで楽観しないほうがいいと思います。業界の求人に詳しい窓口を通す意味は、ここにあります。

運用職は「数値を見て改善を回す」仕事で、マーケティングの基本的な思考が自然に身につきます。job tagでも、一通り仕事を回せるようになるまで1年程度は必要とされています。ここで1〜2年経験を積めば、その先のキャリアパスはかなり広がります。戦略側に進む道もあるし、事業会社のインハウスマーケターに転じる道もあります。そのあたりのキャリアの広がりは、マーケターのキャリアパスを整理してみた【転職・独立まで網羅】でまとめています。

マスメディアンが未経験ルートに向いている理由

マスメディアンは、宣伝会議と同じKAIGIグループの、広告・マーケティング・クリエイティブ職に特化した転職エージェントです。

未経験の人にとって大きいのは、未経験対象の求人も扱っていることです。公式のよくある質問によると、未経験向けの求人は営業職が中心で、Webマーケティング職も一部あります。未経験のクリエイター求人は扱っていないことも明記されています。入口がどこにあるかを最初から示してくれるので、遠回りが減ります。

採用側から見ても、業界の基礎を押さえた状態で面接に来る候補者は、それだけで話が早いです。特化エージェントは面談の段階で業界とのフィット感を見たうえで推薦するので、その準備の差が面接に出やすいと思います。

  • 広告・マーケ業界の求人に特化しているので、的外れな求人が来にくい
  • 業界に詳しいコンサルタントに「未経験だとどのポジションなら入れるか」を相談できる
  • 転職支援サービスはすべて無料で、面談はWebか電話で受けられる

マスメディアンの注意点

良いことだけ書いても判断材料にならないので、注意点も書いておきます。

  • 転職相談の拠点は東京・名古屋・大阪・福岡です。面談はWebや電話でもできますが、地方で勤務地を絞ると選択肢が少なくなる可能性があります
  • 未経験だと、紹介される求人は営業職と広告運用に寄りやすいです。「何でもいいからマーケがやりたい」という状態より、「広告運用をやりたい」「SNS運用に関心がある」くらいの方向性は持っておいたほうがいいです
  • 特化型なので、大手の総合エージェントと比べると求人の幅は狭くなります。「とにかくたくさんの求人を見たい」という人には物足りないかもしれません

特化エージェントと総合エージェントの使い分けは、マーケター転職エージェントおすすめ6選【使い分けの判断軸で選ぶ・2026年版】でまとめています。他のエージェントとも比べたい人は、そちらも参考になると思います。

マスメディアンを使わなくていい人

  • 地方在住で、地元勤務の求人だけを探している人
  • マーケティングではなく「なんとなくWeb系に行きたい」くらいの段階の人(方向性が固まっていないなら、先にキャリアコーチングで整理するほうが早いです)
  • すでにマーケ経験が3年以上あり、年収700万円以上のハイクラス転職を狙いたい人(別のエージェントのほうが合います)

マスメディアンへの申し込みは無料です。未経験からどの職種なら入れるかを相談するだけでも、次の一手が具体的になります。

ルート③|いまの会社で社内異動・兼務からマーケに入る

転職しなくても、いまの会社の中でマーケティングに入れる可能性はあります。社内にマーケ部門やデジタル関連の部署があるなら、異動を願い出るか、兼務で手を挙げる方法です。費用ゼロ・リスク最小で始められるのが、このルートの強みです。

向いている人

  • 今の会社に大きな不満はないが、仕事の中身を変えたい
  • 転職による年収ダウンや環境変化のリスクを取りたくない
  • 社内にマーケ関連の部署があり、異動の前例がある

社内異動の落とし穴

社内異動で「なんとなくマーケ担当になった」人は、のちの転職市場で評価されにくいです。

「前職でマーケティングを担当していました」という経歴も、中身を聞くと、決められた投稿を回していただけということがあります。採用側はそこを必ず掘ります。担当範囲と成果が言えないと、マーケ経験としてはカウントしづらいです。

社内異動を選ぶなら、「自分の担当範囲と成果を数字で語れる状態」を意識して作っておくことです。PVでもCVRでも広告のROASでも、なんでもいいので数字を残しておく。それが将来の転職活動で効いてきます。

採用側は未経験候補者のどこを見ているか

採用側が未経験の候補者で見ているのは、動機の具体性・前職スキルの翻訳・小さなアウトプットの3つです。ぼくが面接で確かめていたのも、この3点でした。

「なぜマーケなのか」を自分の言葉で語れるか

「マーケティングがやりたいです」だけだと、ほとんど評価できません。「今の仕事で◯◯を担当していて、そこからデータで売上を伸ばす仕事に興味を持った」くらいの具体性がほしいです。

前職スキルの「翻訳」ができているか

未経験でも、前職で培ったスキルがマーケティングに通じるケースは多いです。営業なら顧客理解、企画なら仮説思考、エンジニアならデータ分析。ただ、それをマーケの文脈に「翻訳」して伝えられる人と伝えられない人が、はっきり分かれます。

この翻訳を面談で手伝ってもらえるのも、特化エージェントの大きな価値です。自分ひとりでは気づけない強みを、業界の言葉に変換してもらえます。

小さくてもアウトプットがあるか

個人ブログを運営してPVを伸ばした。SNSアカウントを育てた。副業でLP制作をやった。規模は小さくても、「自分の手を動かした経験」がある人は強いです。

逆に、アウトプットが何もない状態で「マーケをやりたい」と言われても、採用側には判断材料がありません。スクールに通うにしろ独学にしろ、何かひとつ「面接で見せられるもの」を作ってから動くと、説得力がまるで変わります。

20代と30代でルートの選び方は変わる

年齢が上がるほど、取れるルートの幅は狭くなります。ここはシビアな現実なので、包み隠さず書きます。

厚生労働省の「令和7年雇用動向調査」で、転職して賃金が前職より増えた人の割合を年齢別に見ると、20〜24歳は55.2%、25〜29歳は49.8%、35〜39歳は43.5%です。未経験転職に限った数字ではありませんが、若いほど転職で条件を上げやすい傾向ははっきり出ています。

20代(第二新卒〜20代後半)

20代は選択肢がいちばん広い時期です。ポテンシャル採用の枠がまだあるので、未経験でも「伸びしろ」で採用されることがあります。

特に第二新卒(入社1〜3年目前後)であれば、スクールに通わなくても特化エージェント経由で運用職に入れる可能性は十分あります。第二新卒の定義や採用側からの見え方は、第二新卒とは|定義・何年目まで・採用側から見た評価のされ方でまとめています。

20代後半なら、スクールで体系的に学んでからの転職もアリです。時間を投資するリターンがまだ大きい年齢です。ルート①とルート②を組み合わせて、「スクールでポートフォリオを作り、特化エージェント経由で応募する」という動き方も現実的です。

30代

30代になると、ポテンシャル採用の枠はぐっと減ります。30代で未経験からマーケターを目指すなら、次のどちらかが現実的です。

  • スクールでポートフォリオを作り、特化エージェントで運用職に応募する(ルート①+②の合わせ技)
  • 社内異動でマーケの実績を積み、それを武器に転職する(ルート③→②の段階的な動き方)

「30代後半・完全未経験・アウトプットなし」という状態でマーケティング職に転職するのは、かなり厳しいです。厳しく聞こえるかもしれませんが、採用側にいた実感としてはそうでした。

ただ、逆に言えば30代でも「自分で手を動かした実績」があれば道は開けます。年齢よりもアウトプットのほうが効きます。

代理店側のマーケ職と事業会社のマーケ職、どちらを目指すかで準備も変わります。広告代理店から事業会社への転職で後悔しないために【現実を先に知っておく】も先に読んでおくと、両者の違いが見えてきます。

マスメディアンの登録から面談までの流れ

マスメディアンは、申し込みから入社まで6つのステップで進みます。初めてエージェントを使う人向けに書いておきます。

  • 公式サイトから転職支援サービスに申し込む(無料)
  • コンサルタントとの面談・相談(Webまたは電話)
  • 条件に合う求人の紹介
  • 応募・書類選考
  • 面接(日程調整はコンサルタントが代わりに進めてくれます)
  • 内定・条件交渉・入社

費用は一切かかりません。公式のよくある質問には、転職を無理強いすることはないと書かれていて、今の会社にとどまる選択を提案されることもあるそうです。サービスを止めたいときは、お問い合わせフォームから手続きできます。

どのルートか決められないとき

マーケに向いているか自体がわからないなら、エージェントより先にキャリアコーチングで方向性を整理するほうが早いです。「転職すべきかどうか」から迷っている人も同じです。

キャリートは、転職ありきではなく「自分はどう働きたいのか」を整理するためのコーチングサービスです。最長60分の無料相談をオンラインで受けられて、独立や副業の相談にも対応しています。方向性が見えてからエージェントに登録したほうが、結果的に早かったりするものです。エージェントとの違いは、「転職すべきか迷う」を放置しない。キャリアコーチングという選択肢【エージェントとの違い】に書いています。

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あと、まだ本格的に転職は考えていないけれど求人だけ見ておきたい人は、リクナビNEXTでマーケティング関連の求人を眺めるだけでも市場感がつかめます。「未経験歓迎」の求人がどのくらいあるか、給与レンジはどのあたりか。担当者がつかないので、自分のペースで見られます。

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よくある質問

未経験からマーケティング職に転職できますか?

できます。job tagでも、Webマーケティングの仕事に入るのに特定の学歴や資格は必要とされていません。ただし、年齢と準備の度合いで難易度は変わります。20代ならポテンシャル採用の枠があり、30代なら自分で作ったアウトプットが求められることが多いです。

マーケティングスクールに通わないと転職できないですか?

通わなくても転職はできます。特に20代であれば、特化エージェント経由で運用職に入るルートが現実的です。スクールは武器を作るための場所で、必須ではありません。

未経験でマーケ職に転職すると年収は下がりますか?

前職とポジション次第です。厚生労働省の令和7年雇用動向調査では、転職者全体で賃金が前職より増えた人は40.8%、減った人は31.0%でした(1割以上減った人は21.9%)。未経験の職種に移る場合は、一時的に条件が下がることも想定しておくと安心です。参考までに、job tagに載っているハローワークのWebマーケティング職の求人賃金は、月額27.3万円(令和7年度)です。

マスメディアンは無料ですか?地方からでも使えますか?

転職支援サービスはすべて無料です。面談はWebか電話で受けられます。転職相談の拠点は東京・名古屋・大阪・福岡なので、地方で勤務地を絞ると、紹介できる求人が限られる可能性があります。

おわりに

未経験からマーケターになる道は、思っているよりいくつもあります。

採用する側にいると、「こういう人は通る、こういう人は苦戦する」というパターンが見えてきます。でも、そのパターンを外れて内定を取る人もいました。共通していたのは、自分で小さく動いていたことです。

スクールに申し込むにしろ、エージェントに登録するにしろ、社内で手を挙げるにしろ、最初の一歩はどれも小さいです。でも、その一歩を踏み出せるかどうかで、半年後の景色はだいぶ変わります。

迷ったら、ぼくならこの順番にします。まずマスメディアンで未経験から入れる職種を聞く。方向性そのものが決まらないなら、キャリートの無料相談で整理する。まだ動く気がないなら、リクナビNEXTで求人を眺めておく。面談を受けるだけでも、自分がどこから入れるのかの現在地がわかります。それだけでも意味があると、ぼくは思っています。

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