マーケの目

メディアプランニングとは?やり方5ステップと指標・GRPの関係

このサイトはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を掲載しています。

最終更新:2026年10月17日

メディアプランニングとは、広告の目的を達成するために、誰に、どの媒体で、いつ、何回届けるかを決めて、予算を配分する計画づくりのことです。やり方は「目的→対象→媒体選定→配分→計測」の5ステップに分けると迷いません。結論を先に書くと、メディアプランの出来は媒体の選び方より、最初に「誰に何回届けたいか」を言葉にできたかでほぼ決まります。この記事では、5ステップの一覧表、リーチ・フリークエンシー・GRPの関係、媒体の役割の分け方、2026年時点の注意点、学ぶための本までを書いていきます。

メディアプランニングとは?やり方5ステップの一覧

メディアプランニングは、広告の予算を「届け方の設計図」に置き換える仕事です。どの媒体にいくら払うかは最後に決まるもので、その前に目的と対象と回数を決めておく必要があります。

5つのステップを、決めることと使う材料に分けて並べると次のようになります。

ステップ 決めること 使う指標・材料 つまずきやすい点
1. 目的 知ってもらいたいのか、比べる候補に入れてほしいのか、買ってほしいのか。動かしたい段階を一つ選ぶ KGI・KPI、購買のどの段階を動かすか 「認知も売上も」と目的を二つ以上抱えたまま進む
2. 対象 届けたい人の範囲と人数、その人たちがふだん触れている媒体 ターゲットの定義、メディア接触の調査データ 対象を広く取りすぎて、予算に対して回数が足りなくなる
3. 媒体選定 テレビ・動画・SNS・検索・ディスプレイ・屋外などから、目的と対象に合う組み合わせを選ぶ 媒体ごとのリーチ、単価、得意な段階 前年と同じ媒体や、担当者が慣れている媒体をそのまま選ぶ
4. 配分 媒体ごとの予算、出稿の期間と時期、一人あたりに届けたい回数 リーチ、フリークエンシー、GRP、CPM 予算の比率だけ決めて、届く人数と回数を計算しない
5. 計測 何が動いたら成功とするか、いつ見直すか 段階ごとの指標、ブランドの調査、売上 出稿が終わってから測り方を考える

この表は、上から順に決めていくことに意味があります。よくあるのは、3の媒体選定から始めてしまう進め方です。「今年はSNSに寄せたい」「テレビは高いからやめたい」と媒体の話から入ると、なぜその媒体なのかを後から説明する計画になります。目的と対象が先に決まっていれば、媒体は選ぶものではなく、条件から絞られていくものになります。

似た言葉にメディアバイイングがあります。メディアプランニングが「どこに、いつ、どれだけ」を決める設計なら、メディアバイイングはその設計どおりに枠を買う交渉と発注です。小さな会社や個人では一人が両方を担うことも多いのですが、設計が先という順番は変わりません。

メディアプランニングの指標──リーチ・フリークエンシー・GRPの関係

メディアプランニングで使う指標の土台は、リーチ(対象の何割に届いたか)、フリークエンシー(届いた人に平均何回届いたか)、そしてその掛け算であるGRP(延べの量)の3つです。式で書くと「GRP=リーチ(%)×平均フリークエンシー」になります。

3つの指標の数え方と計算の細かな注意点は、インプレッション・リーチ・フリークエンシーの違いとは?計算例で解説にまとめています。テレビ広告の延べ視聴率であるGRPについては、GRPとは?テレビ広告の延べ視聴率の計算方法と目安に詳しく書きました。ここでは、計画を立てる側がこの3つをどう使うかに絞ります。

計画の段階で効いてくるのは、同じGRPでも届き方がまったく違うプランが作れることです。下の表の数字は、すべて説明のための「例」です。

項目 プランA(例) プランB(例)
対象に対するリーチ 60% 30%
平均フリークエンシー 2回 4回
GRP(リーチ×フリークエンシー) 120 120
届き方 対象の半分以上に、少しずつ 対象の3割に、くり返し
向いている目的 新しい商品を広く知ってもらう すでに知っている人に、思い出してもらう・選んでもらう

GRPだけを見ると、二つのプランは同じ量の広告です。でも、届いている人の広さは倍違います。だからメディアプランの会議では、GRPの数字より先に「対象の何割に、何回届くか」を確かめる必要があります。

何回届ければ効くのかについては、二つの考え方があります。一つは、ある回数以上届いた人だけを「効いた人」とみなす有効フリークエンシーの考え方です。米国の全米広告主協会(ANA)が1979年に出した、マイケル・ネイプルズ(Michael J. Naples)による接触回数と広告効果の研究をまとめた本をきっかけに、「何回以上届いた人の割合」を計画の目標に置く考え方が業界に広まりました。ただ、何回が正解かを示す、商品を問わず使える数字は見当たりません。

もう一つは、回数より「いつ届くか」を重く見る考え方です。米国のメディアの専門家アーウィン・エフロン(Erwin Ephron)は1997年、米国の広告研究の専門誌に「リーセンシー・プランニング」を発表しました。広告の多くは、買う直前の人のブランド選びに働きかけることで効く。だから少数の人に何度も当てるより、できるだけ多くの人に、できるだけ多くの週に途切れず届けるほうがいい、という考え方です。

二つは対立しているように見えますが、使い分けで考えると整理できます。新しいことを覚えてもらう必要があるならフリークエンシーを重ね、すでに知られているブランドを思い出してもらうならリーチと継続を優先する。どちらを取るかは、手順1の目的で決まります。

媒体選定のやり方──購買の段階ごとに役割を分ける

媒体は「どれが一番効くか」で選ぶのではなく、購買のどの段階を受け持たせるかで役割を分けて選びます。一つの媒体にすべての段階を任せると、その媒体が得意でない段階が手薄になります。

主な媒体の得意な段階と、計画で見る指標を並べると次のようになります。

媒体 得意な段階 計画で見る主な指標 気をつけたい点
テレビCM 認知(短い期間に広い層へ届ける) GRP、リーチ、視聴率 1回あたりの金額が大きく、細かな対象の絞り込みは苦手
動画広告(YouTubeなど) 認知〜興味 リーチ、フリークエンシー、視聴回数 媒体ごとに「1回見た」の数え方が違う
SNS広告 興味〜比較検討 リーチ、CPM、エンゲージメント率 反応しやすい同じ人に偏って届きやすい
検索広告 行動(探している人の背中を押す) クリック数、CPC、CVR、CPA 探されていない商品には、需要そのものをつくれない
ディスプレイ広告 認知〜再訪問 インプレッション、リーチ、CPM、CPA 画面に入っていない表示も数に含まれることがある
自社サイト・ブログ・公式SNS 比較検討〜継続 訪問数、検索からの流入、登録数 育つまでに時間がかかり、出稿のように一気には増やせない

表の上ほど広く知らせる媒体で、下ほど探している人や興味を持った人を受け止める媒体です。検索広告とディスプレイ広告の仕組みの違いは、リスティング広告とは?仕組みと品質スコア、ディスプレイ広告との違いで詳しく書いています。段階そのものの分け方は、パーチェスファネルとは?段階の例とダブルファネルとの違いを解説が土台になります。

媒体の配分を考えるとき、国内の広告費の流れは一つの目安になります。電通の「2025年 日本の広告費」によると、2025年の総広告費は8兆623億円で、そのうちインターネット広告費は4兆459億円、構成比は50.2%と初めて過半数に達しました。同じ資料で、テレビメディア広告費は1兆7,556億円です。インターネットが半分を超えても、テレビにはまだ大きなお金が流れています。ぼくは、短い期間に広い層へ一斉に届けるという役目を、ほかの媒体がまだ代わりきれていないからだと思っています。

もう一つ、媒体選定で忘れやすいのが、お金で買う露出だけで計画を組まないことです。広告で連れてきた人を、自社のサイトやブログといった残る場所で受け止められるかどうかで、同じ予算の効き方が変わります。買う露出と、自社で持つ露出と、第三者に語ってもらう露出の役割分担は、トリプルメディアとは?意味と古いと言われる理由、PESOとの違いで整理しています。表にペイドしか並んでいないなら、この3分類で見直す価値があります。

実務での使い方──予算の比率より先に「誰に何回」を一文で書く

実務でメディアプランを組むときに一番効くのは、予算を媒体に配る前に「誰に、何回、いつまでに届けるか」を一文で書いておくことです。この一文がないと、媒体の比率は前年踏襲か、声の大きい人の好みで決まってしまいます。

広告会社で企画を考える側にいた頃、メディアの担当者と同じ打ち合わせに出ることがよくありました。テレビCMとWEBを組み合わせるキャンペーンでは、表現の案と媒体の表がそれぞれ別の担当から出てきます。その二つが同じ「誰に何回」を前提にしていないと、短い尺で伝わる表現なのに長い動画を前提にした配分になっていたり、その逆が起きたりします。媒体の表は予算の配り方を書いた紙に見えて、実は生活者にどの順番で出会ってもらうかを書いた台本でした。

一文を書いたら、次は届く人数を予算から逆算します。式はシンプルで、「予算÷CPM×1,000=インプレッション」「インプレッション÷フリークエンシー=届く人数」です。以下は説明のための「例」です。

計算の段階 式 例の数字
予算 ― 30万円
買えるインプレッション 予算÷CPM×1,000 CPM500円なら60万回
届く人数 インプレッション÷フリークエンシー 一人3回届けるなら20万人
対象に対するリーチ 届く人数÷対象の人数 対象が40万人なら50%

この計算をしてみると、予算に対して対象が広すぎるのか、回数を欲張りすぎているのかがすぐに分かります。CPMやCPCの読み方はCPC・CPM・CPAの違いとは?計算式と例、許容CPAの決め方を解説にまとめています。

計画ができたら、出稿前に次の5つを確かめます。

  • 目的は一つの段階に絞れているか(認知と獲得を同じ予算で同時に狙っていないか)
  • 対象の人数と、届けたい回数から逆算した予算になっているか
  • 媒体ごとに受け持つ段階が決まっていて、役割が重なりすぎていないか
  • 広告で連れてきた人を受け止める場所(サイト・記事・登録の導線)があるか
  • 何が動いたら成功で、いつ見直すかを、出稿前に決めてあるか

予算が小さいときほど、媒体の数を減らすほうが計画は立てやすくなります。媒体を5つに分けると、どれも回数が足りないまま終わりがちです。まず一つの媒体で「届く人数と回数」を確かめ、そこから広げる順番が現実的です。代理店に任せる場合も、この一文と5つの確認は発注する側が持っておくべきものです。任せる先の選び方は広告代理店の選び方|中小企業が失敗しない5つの判断軸とコンペのやり方に書いています。

2026年時点の注意点──自動化が進むほど、計画の手前が問われる

2026年時点のメディアプランニングは、配信の細かな調整を媒体側の自動化に任せる場面が増えた分、人が決めるべきことが目的と対象と回数の設計に寄ってきています。以下の仕様は、この記事の最終更新日時点で各社の公式ページを確認できた範囲です。

計画づくりそのものを助ける道具も増えました。Google 広告ヘルプの「リーチ プランナーについて」によると、リーチ プランナーはYouTubeとGoogle動画パートナーで配信する動画キャンペーンを計画するためのツールで、リーチやフリークエンシー、視聴回数、コンバージョンなどを予測できます。データはGoogleのユニークリーチの測定手法にもとづき、毎週更新されるとされています。同じページには、予測は推定値であり、実際の成果を保証するものではないという注意も書かれています。

こうした道具は、入れる条件が曖昧なら、提案も曖昧なまま返ってきます。サジェストに「メディアプランニング ai」が出てくるように、AIに配分を考えさせたい人は増えていると思います。ただ、AIが代わりにやってくれるのは配分の計算で、「誰に何回届けたいか」を決める仕事は残ります。

もう一つの注意は、媒体ごとの数字を足しても全体の姿にならないことです。リーチ プランナーのような予測も、各社の管理画面も、基本的には自分の媒体の中の重複しか取り除けません。検索広告とSNS広告と動画広告のリーチを足した数字は、実際に届いた人数より大きくなります。媒体をまたいだ成果の配分を考えるときは、アトリビューションとは?モデルの種類一覧と例、GA4での選び方の考え方が手がかりになります。媒体ごとの貢献を売上のデータから推定する方法は、MMMとは?マーケティングミックスモデリングの意味に書きました。

学ぶための本を探している人には、「広告ビジネスに関わる人のためのメディアガイド」(博報堂DYメディアパートナーズ編・宣伝会議)があります。宣伝会議の紹介記事によると、もとは博報堂DYグループの社内向け冊子で、2015年に書籍化され、マスメディアからインターネット、屋外までの広告メディアのデータを年版でまとめてきた本です。最新版の有無は、版元で確かめてから手に取るのが安全です。

メディアプランニングに関するよくある質問

メディアプランニングとメディアバイイングの違いは何ですか?

メディアプランニングは、目的と対象から「どの媒体に、いつ、どれだけ出すか」を決める設計の仕事です。メディアバイイングは、その設計どおりに広告枠を買う交渉と発注の仕事です。設計が先で、買い付けが後という順番は、会社の規模にかかわらず変わりません。

メディアプランニングで使う指標は何ですか?

土台になるのは、リーチ(対象の何割に届いたか)、フリークエンシー(一人あたり平均何回届いたか)、その掛け算のGRP(延べの量)です。予算から届く量を逆算するときはCPMを、検索広告などの獲得の段階ではCPCやCPAを使います。同じGRPでも届き方は違うので、リーチとフリークエンシーに分けて確かめるのが基本です。

メディアプランニングを学べる本はありますか?

媒体のデータと基礎知識を広くまとめた本として、「広告ビジネスに関わる人のためのメディアガイド」(博報堂DYメディアパートナーズ編・宣伝会議)があります。年版で刊行されてきた本なので、最新版の有無は版元で確かめておくと安心です。本で用語と媒体の特徴を押さえたら、実際に小さな予算で届く人数を一度計算してみると、指標の関係が手で分かるようになります。

小さな予算でもメディアプランニングは必要ですか?

必要です。予算が小さいほど、媒体を分けすぎると、どれも回数が足りないまま終わりやすくなります。「誰に何回届けたいか」を一文で書き、予算÷CPM×1,000で買える表示回数を出すだけでも、媒体を絞る判断ができます。

おわりに──媒体の表は、予算表ではなく出会いの台本

メディアプランは、見た目は予算の配分表です。媒体の名前と金額と期間が並んでいて、どこにいくら払うかが書いてあります。だから、つい「どこに出すか」の話から始めたくなります。

でも、その表を生活者の側から読み直すと、別のものが見えてきます。いつ、どこで、何回、この広告に出会うのか。最初はテレビで知り、次にスマートフォンの動画で思い出し、探したときに検索で見つかる。媒体の表は、その出会いの順番を書いた台本です。

メディアプランニングは、予算を配る作業ではありません。誰に何回出会ってもらうかを、先に決める作業です。

マーケ・企画で使える「図解の型100」を、LINEオープンチャットで無料配布しています(匿名で参加できます)。→ 受け取る
MARKETER CAREER TYPE キャリアタイプ診断 10の質問で、いまのあなたの「次の一手」がわかります。登録不要・約2分。 診断してみる →