独立・フリーランス

フリーランスボードとは|案件をまとめて探せる仕組みと使いどころ

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会社を作った翌日にやってくるのは、達成感ではなく「来月の売上、どこから来るんだろう」という感覚です。ぼくが40歳でtiny合同会社を作ったときも、登記が終わった夜にいちばん強く感じたのはそれでした。結論から書くと、独立直後に効くのは仕事を取ることそのものより、仕事を探せる場所を複数持っておくことです。フリーランスボードは、その場所をまとめて見にいけるサービスでした。

先に断っておくと、ぼくはここで自分の案件を取った経験はありません。書くのは、独立した側の実感と、仕組みを調べて分かったことです。それと、調べていて自分の思い込みが1つ壊れました。ここをエンジニア専用の場所だと思っていたのですが、マーケター・コンサル・デザイナーの案件もふつうに流通していました。その話は記事の後半に書きます。

フリーランスボードとは、100社以上のエージェントの案件をまとめて検索できる無料サービス

フリーランスボードとは、複数のフリーランスエージェントや企業が扱う案件を横断して検索できるサービスです。運営はINSTANTROOM株式会社。公式アプリの説明では、20万件を超える案件を掲載し、100社以上のエージェント・企業と提携していると案内されています(2026年7月時点)。利用は無料です。

正式版がリリースされたのは2025年6月で、そのときのプレスリリースでは利用者が10万人を突破したと発表されています。案件検索のほかに、スカウト、市場の単価相場の確認、エージェントの口コミ、ウェブ経歴書の作成といった機能があります。

位置づけを一言で書くなら、個別のエージェントに一社ずつ登録して回るのではなく、まず全体を見渡すための場所です。

→ 案件と単価の相場を見てみる(会員登録は無料):フリーランスボード

エージェントに個別登録するのと、何が違うのか

探す順番が逆になります。

エージェントに個別登録 案件検索サイト
最初にやること 面談を受けて希望を伝える 案件を自分で検索して眺める
見える範囲 そのエージェントが持つ案件 提携している100社以上の案件
向いている場面 条件が固まっていて、決めにいくとき 相場や求められるスキルを知りたいとき

独立したばかりの人にとって、いちばん怖いのは自分の値段が分からないことです。会社員のときは給与という形で決められていた金額を、独立した瞬間から自分で言わなければならない。ここで安く言ってしまうと、その単価が最初の実績になって固定されます。

ぼくも独立1年目に、相場を知らないまま提示された金額をそのまま受けたことがあります。あとから同じ内容の仕事の相場を知って、腹の底が冷えました。あのとき、案件が並んでいる画面を眺めるだけの時間を10分でも取っていれば、違う数字を言えたと思っています。

独立直後に、まず案件を「眺める」ことの効き目

登録して案件を見にいく目的は、応募ではなくても構いません。ぼくが勧めたいのは、次の3つを見ることです。

  • 単価のレンジ:同じ職種でも、月額の幅がどれくらいあるか。上と下で何が違うのか
  • 求められているスキルの書かれ方:募集要項の言葉づかいは、市場が今どこにお金を払っているかの一次情報です
  • 稼働条件:週3なのか常駐なのかリモートなのか。ここが自分の生活と噛み合うかどうかで、続けられる働き方が決まります

この3つは、案件に応募しなくても手に入ります。相場観というのは、経験ではなく観察で身につくものです。会社を作ったばかりで時間だけはある時期に、これをやっておくと、最初の見積書の数字が変わります。

月額単価は、そのまま手取りにはなりません

案件検索サイトを見ていていちばん危ないのが、月額80万円という数字を見て、会社員の月給80万円と同じものだと錯覚することです。ここは会社を作った直後の人が必ず一度つまずくところなので、書いておきます。

フリーランスや一人法人の月額単価からは、この順番で引かれていきます。

  • 稼働していない月の分:契約が切れた月は0円です。年間の平均で考える必要があります
  • 社会保険料:会社員のときは会社が半分払っていました。法人なら自分の会社が払うので、結局は自分の売上から出ます
  • 税金:所得税・住民税・法人なら法人税。会社員時代の源泉徴収に相当するものを、自分で先に積んでおく必要があります
  • 経費:機材、通信、住所、会計まわり。ここまでこの記事で書いてきたものが、全部ここに入ります

ぼくが独立して最初の年に一番驚いたのは、売上の数字と、口座に残っている数字の距離でした。売上が立った瞬間の高揚と、税金を払う月の落差は、経験するまで想像がつきません。だから案件を眺めるときは、月額の数字だけでなく、それが年間で何か月続く見込みなのかまでを一緒に見たほうがいいです。

→ 職種と稼働条件で絞って、単価のレンジを確かめる(登録は無料):フリーランスボード

複数の場所を持つのは、保険ではなく交渉材料です

案件を探せる場所を複数持つ理由は、仕事が途切れたときの保険という以上に、断れる状態を作るためです。

選択肢が1つしかないと、提示された条件を飲むしかありません。逆に、他にも見ている案件があると分かっているだけで、話し方が変わります。金額を上げてくださいと言えるかどうかは、性格ではなく、選択肢の数で決まる。ぼくは独立してからこれを学びました。

横断検索サイトが役に立つのは、まさにここです。個別のエージェントに何社も登録して面談を受けるのは時間がかかりますが、案件が並んでいる画面を見るだけなら10分で済みます。交渉の前に相場を確認する、という習慣をつけるための道具だと考えると、使い方が定まります。

マーケター・コンサル・デザイナーの案件も、ふつうに流通しています

ここが、ぼくの思い込みが壊れたところです。

マーケターとして独立してからずっと、案件の取り方は職種でまるで別ゲームになると思っていました。エンジニアはエージェント経由の商流が整備されていて単価表も読める。でもマーケターやプランナーは、いまだに紹介とつながりが主戦場だ、と。実際ぼく自身、最初の仕事は会社員時代のつながりから来ました。

それで、この記事を書くために職種別の案件数を数えてみました。2026年7月時点で公開されている件数です。

職種 掲載案件数
PMO 31,959件
Webディレクター 25,761件
コンサルタント 19,783件
Webデザイナー 11,641件
マーケター 2,500件

マーケターの2,500件は、他と比べれば少ない数字です。でも「ほぼ無い」と思っていたぼくには、じゅうぶん多い。中身を開いてみたら、事業会社のマーケティング戦略立案やSNS運用、販促の設計といった、ぼくがふだんやっている仕事とそう遠くないものが並んでいました。公式のよくある質問にも、対象はエンジニア・デザイナー・マーケター・PM/ディレクター・コンサルタントなど幅広いIT系職種だと書かれています。

つまり、ぼくが握っていた「マーケの仕事は紹介でしか流れない」という前提は、少なくとも半分は古くなっていました。紹介が強いのは今も本当です。ただ、それを理由に市場を見ないでいると、自分の値段を紹介元の言い値で決め続けることになります。

紹介で仕事を取る人ほど、案件が並んだ画面を見ておいたほうがいい。応募するためではなく、提示された金額に頷く前に、比べる相手を持っておくためです。

→ 自分の職種で絞って、案件数と単価を見てみる(登録は無料):フリーランスボード

フリーランスボードを使わなくていい人

除外条件を書きます。

  • IT・Web領域から遠いところで仕事をしている人。職種の幅は広いですが、土俵はあくまでIT・Web系です。マス広告の枠売りやオフラインの販促が主戦場の人は、ここではなく業界の紹介経路のほうが早いです
  • すでに稼働が埋まっている人。案件を探す必要がないなら、今は要りません。ただし相場の確認だけはたまにしておくといいです
  • 会社員の副業で、週末しか動けない人。常駐や週3以上の案件が中心なので、条件が合わないことが多いです
  • 特定のエージェントと深い関係ができている人。担当者との関係は資産です。それを崩してまで横断検索に切り替える必要はありません

→ 独立直後にやることの全体像は「マーケターが独立・開業前にやることリスト」に、会社を作る手順は「一人で合同会社を設立したら、驚くほど簡単だった」にまとめています。

よくある質問

利用は無料ですか

無料です。公式アプリの説明でも料金は無料と案内されています。案件に応募したあとの契約条件は、実際に紹介するエージェントとの間で決まります。

会社員のうちに登録してもいいですか

登録して案件を眺めること自体に問題はありません。むしろ独立を考えている段階で相場を知っておくほうが、飛び出すかどうかの判断が現実的になります。ただし勤務先の副業規定は、自分で確認してください。

マーケターやデザイナーの案件もありますか

あります。公式のよくある質問では、対象はエンジニア・デザイナー・マーケター・PM/ディレクター・コンサルタントなど幅広いIT系職種と案内されています。2026年7月時点の掲載数は、コンサルタント19,783件、Webディレクター25,761件、Webデザイナー11,641件、マーケター2,500件です。ただし土俵はIT・Web領域なので、オフライン販促やマス広告が中心の人は範囲外になります。

掲載案件数は本当にそんなにありますか

公式アプリの説明では20万件超と掲載されています。ただし複数のエージェントが同じ案件を扱っているケースもあるので、件数そのものより、条件で絞り込んだあとに何件残るかを見たほうが実態に近いです。

おわりに

会社を作った直後の不安は、仕事がないことより、仕事の探し方を知らないことから来ます。ぼくの場合、最初の案件は会社員時代のつながりからでした。でもそれは運が良かっただけで、再現性はありません。

探せる場所を複数持っておく。使わないかもしれないけれど、そこにあると知っているだけで、夜の不安の質が変わります。独立して数年たった今でも、ぼくはそう思っています。

→ 案件を眺めるところから始める:フリーランスボード

この記事の情報は2026年7月時点で公式アプリの説明とプレスリリースを確認したものです。案件数や機能は変わることがあるので、登録前に公式サイトで最新を確認してください。

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