最終更新:2026年10月18日
AI Overviews対策とは、Googleの検索結果の上に出るAIの要約「AIによる概要(AI Overviews)」に、自分のページを根拠のリンクとして載せてもらうための施策のことです。結論を先に書くと、Googleは公式ページで、AIによる概要に表示されるための追加の要件や特別な対策はないと明言しています。条件は、ページが検索に登録され、検索結果に抜粋(スニペット)を表示できる状態であることだけです。実際、米国の36万2,000キーワードの調査では、AIによる概要の94%が検索上位20位以内のページを引用していました。この記事では、Googleの公式ページで確認できたことだけを軸に書いていきます。
AI Overviews(AIによる概要)とは?日本での開始時期と似た機能の一覧
AIによる概要とは、検索した言葉に対してGoogleの生成AIが複数のウェブページの情報をまとめ、検索結果の上部に要約と根拠のページへのリンクを表示する機能です。英語名がAI Overviewsで、日本では2024年8月に提供が始まりました。
Googleは2024年8月16日の発表で、日本を含む6か国にAIによる概要を広げると伝えています。続いて2025年9月9日には、長く複雑な質問にAIと対話しながら答えを探せる「AIモード」の日本語での提供も始まりました。似た機能が並んでいるので、サイトを運営する側から見た違いを表にしておきます。
| 機能 | 出る場所と形 | 出る検索 | 載るページの選ばれ方 |
|---|---|---|---|
| AIによる概要(AI Overviews) | 通常の検索結果の上部に、AIの要約と根拠のリンク | Googleのシステムが、通常の検索結果に付け加える価値があると判断した検索だけ | 検索の評価の仕組みで集めたページから、質問に関係する部分が回答の根拠に使われる |
| AIモード | 通常の検索結果とは別の画面で、AIと対話しながら調べる | 比較や、段階を踏んだ調べものが必要な質問 | 関連する検索を複数走らせて集める。AIによる概要とは使うモデルや手法が違うことがあり、出るリンクも変わる |
| 強調スニペット | 検索結果の上部に、1つのページの一部を抜き出して表示 | 定義や手順など、短く答えられる質問 | 1つのページの一節がそのまま抜き出される |
Googleの検索セントラルの「AI 機能とウェブサイト」によると、AIによる概要とAIモードは「クエリ ファンアウト」という手法を使うことがあります。元の質問に関連する複数のサブトピックを並行して検索し、その結果から回答を組み立てる仕組みで、そのぶん通常の検索結果より幅広いページがリンクとして出ることがあります。
もう一つ知っておきたいのは、AIによる概要がすべての検索に出るわけではない点です。Googleは、付加価値があるとシステムが判断した場合にだけ表示されるもので、通常は表示されないと説明しています。自分の狙う検索語で概要が出ていなければ、そもそも対策の土俵がありません。
Googleの公式見解──AIによる概要に載る条件は「検索に載ること」
AIによる概要に引用されるための条件は、Googleの説明では通常の検索と同じです。ページがインデックスに登録され、検索結果にスニペットを表示できる状態であれば根拠のリンクとして表示される対象になり、「これ以外に追加の技術要件はありません」と書かれています。
Googleは2026年5月15日に、生成AI機能に向けた公式ガイド「Google 検索の生成 AI 機能向けにウェブサイトを最適化する」も公開しました。そこでは、生成AI検索向けの最適化は検索の体験に向けた最適化なので「SEO であることに変わりはありません」とされています。二つのページに書かれた「必要なこと」と「必要ないこと」を、最終更新日時点の内容で整理すると次のようになります。
| 区分 | 項目 | Googleの説明 | サイト側でやること |
|---|---|---|---|
| 必要 | インデックス登録とスニペット表示 | 根拠のリンクになるための前提条件 | URL検査で登録状況を確かめ、nosnippetなどを付けていないか見る |
| 必要 | クロールの許可 | robots.txtだけでなく、CDNやサーバーの側でもクロールを許可する | Googlebotを止める設定がないか確認する |
| 必要 | Search Consoleで生成AI機能に含めていること | 設定で除外したサイトは、AIによる概要とAIモードに出ない。既定は「含める」 | 「設定」の「検索の生成 AI」を変えていないか確認する |
| 推奨 | テキスト・内部リンク・ページの使いやすさ | 大事な内容はテキストで示し、内部リンクでたどれるようにする | 答えを画像の中だけに置かない |
| 推奨 | 独自の視点 | 体験談など、ほかで手に入らない情報が長い目で見ていちばん効く | 自分がやったこと、測ったことを書く |
| 不要 | llms.txtなどAI向けの特別なファイル | Google検索では無視され、表示にも順位にも影響しない | Google対策としては作らなくてよい |
| 不要 | 特別なschema.orgのマークアップ | 生成AI検索に構造化データは必須ではない。リッチリザルトのためには引き続き勧められている | 入れるなら、ページに見えている内容と一致させる |
| 不要 | コンテンツの細かい分割(チャンク化) | ページ上の複数のトピックを理解し、関連性の高い部分を表示できる | 人が読みやすい構成にする |
| 不要 | AI向けの書き換え | 類義語や意味を理解するので、言い回しの違いを全部網羅しなくてよい | 検索語を詰め込まない |
実際のデータも、この説明と合っています。調査会社シーオークラリティ(seoClarity)の2025年10月の調査では、米国の36万2,000キーワードで、AIによる概要の94%が検索上位20位以内のページを少なくとも一つ引用していました。検索1位のURLがAIによる概要に引用されていた割合は43%で、20位では7%まで下がります。AIによる概要に載る近道は、AI向けの裏技ではなく、検索で上にいることです。SEOの上に重ねるLLMOの考え方はLLMOとは?で書きました。SEOそのものの基本はSEOとは?何の略かとSEO対策の3種類、AI検索との関係にまとめました。
引用の取られ方──ページ全体ではなく「答えになる部分」が使われる
AIによる概要は、集めたページを丸ごと要約するのではなく、ページの中から質問に関係する情報を拾って回答を組み立てます。だから、見出しごとのまとまりが、前後を読まなくても一つの答えになっていることが、引用されやすい書き方の条件になります。
Googleの公式ガイドは、検索拡張生成(RAG、グラウンディングとも呼ばれる)の説明で、システムが「取得したページからの特定の情報を確認」して回答を作り、裏付けになるページへのリンクを表示すると書いています。チャンク化が不要な理由も、ページ上の複数のトピックのニュアンスを理解して、関連性の高い部分をユーザーに表示できるからだとしています。ページを細かく切り分ける必要はありません。ただ、ページの中のどこが何の答えなのかは、はっきりさせておいたほうが拾われやすいと考えています。
実務では、次の形に整えておくと、検索で読む人にもAIにも同じように伝わります。
- 見出しは、読む人が実際に検索しそうな質問か、はっきりしたトピック名にする
- 見出しのすぐ下の1〜2文で、そのセクションの答えを言い切る。前置きは2段落目に回す
- 1つのセクションでは1つの論点だけを扱う
- 数字を使うときは、出典の名前とリンクを本文に書く
- 比較や手順は、表やリストにする
クエリ ファンアウトの仕組みを知ると、関連する質問ごとに別々のページを大量に作りたくなるかもしれません。でも公式ガイドは、検索のバリエーションやファンアウトのクエリに合わせたページを、順位や回答を操作する目的で個別に量産することは、スパムに関するポリシーの「大量生成されたコンテンツの不正使用」に違反すると明記しています。1つの検索意図に1つの記事を当て、その記事の中で関連する疑問にも答えていくほうが安全です。
引用されても、クリックが増えるとは限りません。アーレフス(Ahrefs)の30万キーワードの分析では、AIによる概要が出るキーワードで、1位のページのクリック率が約58%低くなっていました。クリックが減る前提での考え方はゼロクリック検索とは?割合の出典とAI時代の対策で詳しく書いたので、ここでは繰り返しません。
AIによる概要に表示されない・引用されないときの確認手順
自分のページがAIによる概要に出ないときに最初に確かめるのは、「その検索でそもそも概要が出ているか」と「ページが通常の検索の条件を満たしているか」の二つです。原因の多くは、AI向けの工夫が足りないことではなく、通常の検索の側にあります。
| 順番 | 確かめること | 見る場所 | よくある原因 |
|---|---|---|---|
| 1 | その検索でAIによる概要が出ているか | 実際に検索する | 付加価値がないと判断され、概要そのものが出ていない |
| 2 | ページがインデックスに登録されているか | Search ConsoleのURL検査 | 新しいページで未登録、または重複と判断されている |
| 3 | スニペットを止めていないか | ページのmetaタグとHTML | nosnippet、max-snippet、data-nosnippetの指定 |
| 4 | クロールを止めていないか | robots.txt、CDNやサーバーの設定 | Googlebotのブロック、セキュリティ設定の誤り |
| 5 | 生成AI機能から除外していないか | Search Consoleの「設定」→「検索の生成 AI」 | 除外を選んでいる、または親のプロパティの設定を引き継いでいる |
| 6 | 検索で上位にいるか | Search Consoleの検索パフォーマンス | 上位20位の外にいる |
| 7 | 同じ内容のURLが複数ないか | URL検査、ほかの検索エンジンでの登録状況 | http版とhttps版、末尾のスラッシュの有無などの重複 |
5つ目の設定は、2026年に加わったものです。Googleは2026年6月3日に、サイトを生成AI機能に出すかどうかをSearch Consoleで選べる設定を発表し、8月31日に全世界のサイトへ広げました。ヘルプによると、除外を選ぶとAIによる概要、AIモード、Discoverの生成AI機能にリンクと内容が出なくなります。通常の検索の順位を決めるシグナルには使われず、既定は「含める」なので、自分で変えていなければ心配はいりません。
よく混同されるのが「Google-Extended」です。公式の説明では、AIによる概要への表示を止めるのはこの生成AIの設定や、nosnippetなどの指定です。Google-Extendedは、検索の生成AI機能で回答を作るモデルの学習や、Googleのほかのシステムでの学習とグラウンディングを制限するものとして案内されていて、表示を切り替える手段としては書かれていません。robots.txtで何を止めたいのか、表示なのか学習なのかを分けて考えておくと、設定を間違えにくくなります。
7つ目は、ぼく自身のサイトで実際に見つかった原因です。2026年7月にこのサイトを点検したとき、http版のURLがhttps版へ転送されず、そのまま全文を表示していました。しかもhttp版のページは自分自身を正規のURLとして指定していて、Bingのインデックスを使う検索エンジンのダックダックゴー(DuckDuckGo)で、http版のURLが重複して登録されているのを確認しました。中身をいくら整えても、評価が二つのURLに割れていては力が半分になります。この重複は、http版をhttps版へ301で転送する設定を入れて、いまは解消しています。AIによる概要に載らない理由を探すときは、記事の書き方より先に、こうした配管を疑ったほうがいいと思っています。
Search Consoleでの見え方──数え方と生成AIパフォーマンスレポート
AIによる概要に出た分の表示回数とクリックは、Search Consoleの検索パフォーマンスのレポートで、検索タイプ「ウェブ」の数字に合算されて集計されます。2026年からは、生成AI機能での表示回数だけを切り出した「生成AIパフォーマンスレポート」も使えるようになりました。
検索パフォーマンスのヘルプに書かれている数え方は、次のとおりです。
| 指標 | AIによる概要 | AIモード |
|---|---|---|
| クリック数 | 概要の中の外部ページへのリンクを押すと1回 | 外部ページへのリンクを押すと1回 |
| 表示回数 | 通常の表示回数のルールと同じ | 通常の表示回数のルールと同じ |
| 掲載順位 | 概要全体で1つの順位。中のリンクはすべて同じ順位になる | 通常の検索結果ページと同じ方法で計算する |
掲載順位の数え方には注意がいります。AIによる概要の中で何番目のリンクだったとしても、順位は概要が置かれた位置ひとつで記録されます。表示回数が伸びて順位も上がったのに、クリック率だけが下がる。この三つが同時に起きたら、AIによる概要に引用された可能性があります。クリック率の読み方の基本はCTRとは?クリック率の計算式と平均、高いのに売れない理由で整理しています。
生成AIパフォーマンスレポートは、Googleが2026年6月3日に発表し、2026年8月31日に全世界のサイトへ提供を広げたものです。ヘルプによると、見られる指標は生成AI機能での表示回数で、ページ・国・日付・デバイスごとに分けて確認できます。最終更新日時点では、クリック数や検索語はこのレポートに載っていません。分かるのは「どのページが出たか」までで、「どの質問で出たか」は分かりません。レポートが表示されない場合は、表示回数がまだ少ないか、生成AI機能から除外している可能性があるとされています。
AI Overviews(AIによる概要)対策に関するよくある質問
AI Overviewsと「AIによる概要」は同じものですか?
同じものです。英語での名前がAI Overviewsで、日本語の画面での名前が「AIによる概要」です。日本では2024年8月に提供が始まり、2025年9月には日本語のAIモードも始まりました。
AIによる概要に出るために、特別な対策は必要ですか?
Googleは、追加の要件や特別な対策はないと公式に説明しています。条件は、ページがインデックスに登録され、検索結果にスニペットを表示できる状態であることです。llms.txtのようなAI向けのファイルや特別な構造化データも不要とされていて、実際に引用されるページの多くは検索の上位のページです。
自分のサイトをAIによる概要に出したくない場合は、どうすればいいですか?
Search Consoleの「設定」にある「検索の生成 AI」で、サイトを生成AI機能から除外できます。反映には通常数日かかり、通常の検索の順位には影響しないとされています。検索そのものから外したい場合はnoindex、ページの一部だけ見せたくない場合はnosnippetやdata-nosnippetを使います。
検索する側でAIによる概要が表示されない、またはオフにしたいときは?
Googleのヘルプによると、AIによる概要は、生成AIが特に役立つとシステムが判断した検索にだけ表示されます。機能そのものを無効にすることはできませんが、検索したあとに「ウェブ」のフィルタを選ぶと、AIによる概要のないテキストのリンクだけの結果を表示できます。
おわりに──AIのための裏技は、公式には存在しない
AIによる概要の対策を調べると、AI専用のファイルや特別なマークアップ、AI向けの書き方を勧める情報がたくさん出てきます。でも、Googleが公式に出している答えは拍子抜けするほど地味で、検索に登録され、抜粋を表示でき、読む人の役に立つページであることだけでした。
AIに選ばれる裏技があるのではない。検索で選ばれるページを、AIも読みに来ているだけです。
AI Overviews対策とは、AIのために何かを足すことではなく、検索の土台に穴がないかを点検し、見出しごとに答えを置いていく地味な仕事だと思っています。順位とクリックだけでは見えない変化が増えるので、生成AIのレポートも月に一度は開いてほしいと思います。