20代のぼくは、体力をナメていた。
広告代理店に入って最初の数年、徹夜はザラだった。プレゼン前日は朝まで作業して、そのまま会議室に直行する。終電を無視してタクシーで帰る。翌朝にはなんとか復活している。「若いから大丈夫」という根拠のない自信があった。
でも、35歳前後のある時期から、なんかおかしいな、と思い始めた。
疲れが抜けない。週末に寝ても、月曜の朝にはもう疲れている感じがする。集中力が続かない。午後3時を過ぎると頭がぼんやりする。20代のときは感じなかった「霞」が、脳の前の方にかかっている感覚。
それが「老化」だとは、すぐには認めたくなかった。
35歳という崖
医学的には、人間の体は20代後半から少しずつ筋肉量が落ち始め、30代半ばを境に「疲労回復速度」が明確に遅くなると言われている。ぼくはそれを数字で知っていたけれど、自分ごととして実感したのは、実際にはもう少し後のタイミングになってからだった。
博報堂に入ったのが22歳。最初の13年間は、とにかく体力任せだった。深夜のタクシー、コンビニ飯、運動ゼロ。それでも「仕事ができる人」でいられた。成果も出ていたから、体のシグナルを無視する習慣が染み付いた。
でも今振り返ると、あの頃の「仕事ができていた感覚」は、体力の貯金を切り崩していただけだったと思う。若いうちは貯金が多いから気づかない。でも、毎年少しずつ残高が減っていく。
アクセンチュアに移ってからは、また別の消耗があった。コンサルという仕事は、脳をフル回転させながら同時にクライアントとの関係を管理して、スライドを完璧に仕上げて、数字で証明する。アドレナリンで乗り切る日々が続く。
でも、アドレナリンには限界がある。
35歳を過ぎたあたりから、ぼくはこんなことを考えるようになった。
「このペースで40代になったとき、ぼくはどうなっているんだろう」
その問いが、体のメンテナンスを真剣に考えるきっかけになった。
ちなみに、35歳からの体力低下というのは、感覚だけの話じゃない。テストステロン(男性ホルモン)は30代後半から年率1〜2%ずつ低下する。成長ホルモンの分泌も減る。基礎代謝が落ちる。同じ量を食べても疲れやすくなる。同じ時間寝ても回復しにくくなる。
これは避けられないことだ。でも、対処できないことではない。
ぼくが特に恐怖を感じたのは、「体力の低下」よりも「思考力の低下」だった。
体が疲れていても、脳が動けばなんとかなる。でも、睡眠が浅くなり、腸内環境が乱れ、体が硬くなると、脳への供給が落ちる。アイデアが出ない。判断が鈍くなる。言葉が出てこない。
マーケターや戦略を考える仕事をしている人にとって、これは「手が動かなくなる」のと同じくらい致命的だ。肉体労働なら体力低下は仕事に直結するとわかりやすい。でも知的労働は、脳が疲れていても「なんとなく仕事している感」が続くから、低下に気づきにくい。
35歳で「あれ?」と感じたことを、多くの人は「最近忙しいから」「ちょっと疲れているだけ」と片付けてしまう。でも、そのシグナルは無視していい話じゃなかった。ぼくはそこから5年、気づかないまま走り続けた。
ぼくが試行錯誤して今に至るまでの話を、ここに書いておく。
広告代理店とコンサルが体を壊す、構造的な理由
知的労働というのは、体の疲れより脳の疲れが先に来る。
筋肉痛はすぐわかる。でも、脳の疲れはわかりにくい。「なんかぼんやりする」「アイデアが出ない」「判断が遅い」という症状として出てくるけれど、それを「仕事の調子が悪い」と思って、さらに脳を酷使しようとする。
広告の仕事は特に、この罠にはまりやすい。締め切りがあって、クライアントがいて、チームがいる。「自分が頑張らないと迷惑がかかる」というプレッシャーが、体のシグナルを上書きする。深夜に「これでいいか」と出したアウトプットが、翌朝見ると全然ダメだった、という経験を何度もした。疲れた脳で作ったものは、本当に質が落ちる。
コンサルはさらに別の消耗がある。成果物の品質が可視化されやすいから、「完璧な状態で出す」ことへのプレッシャーが凄まじい。疲れていても手を抜けない、という状況が続く。そして「疲れている自分」に気づかないまま走り続ける。
ぼくが特に後悔しているのは、「体が限界だというシグナルを仕事で上書きする習慣」が染み付いてしまったことだ。
締め切りが近いと眠れなくなる。眠れないから脳が正常に動かない。脳が動かないから仕事が進まない。だからさらに焦る。このサイクルを、ぼくは30代の数年間繰り返した。
気づいたのは40代になってからだ。体のコンディションを整えることは、仕事の成果に直結する。当たり前のことだけれど、本当の意味で腑に落ちていなかった。
外から回復しようとしていた、ぼくの間違い
若い頃、ぼくがくたびれたときにやっていたことは、マッサージだった。
60分12,000円くらいの、ちょっといいところに行く。揉んでもらうと、その場は確かに楽になる。肩が軽くなって、首が回るようになる。帰り道は体が軽い。
でも、翌朝にはリセットされていた。
これは「外から回復する」アプローチの限界だと、今はわかる。筋肉の表面をほぐしても、体の内側のリズムが乱れたままでは、同じ状態に戻っていく。睡眠の質が低ければ、どれだけマッサージを受けても根本は変わらない。食事が偏っていれば、腸内環境が乱れたまま、コンディションは安定しない。
体の外側にアプローチするより、内側のリズムを整える方が、圧倒的に効果が持続する。
外側から整える代表格はマッサージだけじゃなく、栄養ドリンクも同じだ。「今日だけ頑張れる」ようにするための一時的な燃料。でもそれは、空のタンクに一瞬だけ火をつけるようなもので、根本的なタンクの容量は変わらない。
内側から整えるとはどういうことか。ぼくの解釈では、「寝ている間に体が修復できる環境を作ること」「体の可動域を維持して血流を保つこと」「腸のリズムを整えて脳に必要な栄養素を届けること」の3つだ。地味だけれど、この3つが揃うと体の「ベースライン」が上がる。疲れる前提の生活ではなく、疲れにくい体で動ける生活になる。
ぼくが今やっていることを、正直に書く。
①睡眠の質を変えた──TENTIAL・BAKUNE+Brainsleep枕

最初に手をつけたのが、睡眠だった。
理由は単純で、睡眠は脳の「デフォルトモードネットワーク」が働く時間だからだ。昼間に入力した情報を整理して、記憶に定着させて、感情を処理する。これが深い睡眠の中で行われる。
つまり、睡眠の質が低いと、インプットしたものが定着しない。考える力が回復しない。感情のコントロールが難しくなる。
マーケターや戦略職にとって、これは致命的だ。
ぼくが「睡眠の質」に本気で向き合い始めたのは、38歳くらいのときだった。8時間寝ても疲れが取れない日が続いて、「睡眠時間の問題じゃなく、質の問題なんじゃないか」と気づいた。
睡眠の質を左右するのは、大きく3つある。体温・光・寝具だ。
体温は、寝る1〜2時間前に深部体温を下げることで眠りに入りやすくなる。光は、就寝前のスマートフォンを控えることで睡眠ホルモン(メラトニン)の分泌が正常になる。そして寝具は、体の回復効率に直接関わる。
ぼくが変えたのは寝具だった。なぜなら、光とスマホの話はわかっていても実践が難しい。でも寝具は一度揃えれば、毎日自動的に効果を得られる。
ぼくが選んだのは、テンシャルのバクネシリーズ。リカバリーウェアと掛け布団を使っている。着てから寝るまでの時間、体が落ち着いていく感覚がある。朝起きたときの「まだ疲れている感」が、明確に減った。

あわせて使っているのが、BRAIN SLEEPの枕だ。
枕というのは、睡眠の質を左右するわりに、あまり気にされていないアイテムだと思う。ぼくも長い間、ホテルにあるような普通の枕を使い続けていた。でも、頸椎のアライメント(首の骨の並び方)が崩れると、深い睡眠が取りにくくなる。

BRAIN SLEEPの枕に変えてから、朝起きたときの首・肩のこわばりがなくなった。「枕でこんなに違うのか」と思ったのが正直なところだ。テンシャルとBRAIN SLEEPの組み合わせが、今のぼくの睡眠環境のベースになっている。
正直、最初は半信半疑だった。「服や布団や枕で睡眠の質が変わるの?」と思っていた。でも1週間使い続けたあたりから、起き方が変わってきた。
起きてすぐに「今日何しようか」と考えられるようになった。以前は、起きてから30分くらいは頭が半分眠ったままだった。
脳の稼働領域が広がる、という感覚は、ぼくの言葉で言うとこういうことだ。「考えるための体力」が残っている状態で、仕事が始められる。
マーケターにとって、これは特に重要だと思う。マーケティングの仕事は「相手の気持ちを想像する」ことが核心にある。疲れた脳では、この想像力が確実に落ちる。消費者インサイトを読み解く仕事も、コピーを考える仕事も、戦略を描く仕事も、全部「脳が元気な状態」でやった方がいい。当たり前だけれど、その当たり前を維持する仕組みを作ることが大事だ。
睡眠は、全てのパフォーマンスの土台だ。ここを変えずに、仕事術や習慣術をいくら試しても、効果は半減する。
眠れていない状態でのインプットは、スポンジが水を吸えない状態に似ている。読んでも頭に入らない。聞いても記憶に残らない。考えても深まらない。逆に、十分に回復した状態でのインプットは効率が全然違う。同じ1時間でも、脳のコンディション次第でアウトプットの質が変わる。
ちなみにマットレスは定期的に通っている鍼灸師の方が「フランスベッド」か「シモンズ」が良いとアドバイスをくれたので、フランスベッドのやや柔らかめを購入してる。流行りのコアラマットレスなんかもいいけど、柔らかすぎたり、硬すぎると骨格が歪む原因になるらしい。日本人は日本製のフランスベッド一択!
35歳から急に体が「硬く」なる理由
睡眠の次に気になったのが、体の硬さだった。
デスクワークをしていると、使わない筋肉がどんどん短縮していく。特に、股関節周り・腸腰筋・肩甲骨周辺。この辺りが硬くなると、姿勢が崩れる。姿勢が崩れると、呼吸が浅くなる。呼吸が浅くなると、脳への酸素供給が減る。
集中力が続かない理由の一部は、姿勢と呼吸にある。これを聞いたとき、「そういうことか」と思った。午後に集中力が落ちるのは、眠いからだけじゃない。前傾姿勢で呼吸が浅くなっているせいもある。
ぼくが40代になってから特に実感したのは、「気づいたら手遅れになっている」ということだ。硬さは少しずつ進行するから、変化に気づきにくい。ある日、しゃがもうとしたら全然下がらなかった。正直、恥ずかしかった。
硬くなった筋肉は、慢性的な疲労感の原因にもなる。筋肉が短縮すると血流が悪くなる。血流が悪くなると栄養が届きにくくなり、老廃物が溜まりやすくなる。「なんとなくだるい」という状態の正体の一部は、これだ。
問題は、デスクワーカーはこれに気づかないことが多いということだ。毎日同じ姿勢でいるから「これが普通」になってしまう。比較対象がなければ、悪化していることに気づけない。
②プロに伸ばしてもらう──Dr.ストレッチ

自分でストレッチをやってみたこともある。でも続かなかった。毎日やるというルーティンが作れなかったし、やり方が正しいかもわからなかった。
Dr.ストレッチに通い始めて、わかったことがある。「自分でできない角度がある」ということだ。
トレーナーの人に伸ばしてもらうと、絶対に自分では届かない部分まで届く。そこを伸ばされたとき、「あ、ここが固まってたのか」と初めてわかる場所がいくつもあった。
チェーン展開しているので全国にあって、値段も一回3,000円台からと気軽に入れる。スポーツジムに通うほどのモチベーションはないけれど、これくらいならハードルが低い。
月に2〜3回通っているだけで、体の硬さが明らかに変わった。肩こりがほとんどなくなった。これは正直、予想以上の効果だった。
ストレッチの副次効果として気づいたのは、「体の感覚が戻ってくる」ということだ。長い間デスクワークをしていると、自分の体がどういう状態かわからなくなる。疲れているのか、疲れていないのか、感覚が鈍くなる。
Dr.ストレッチで体を動かすと、「ここが固まっていたのか」「ここが弱いのか」という自覚が出てくる。体の状態がわかるようになると、「今日はちょっときつい」「今日は調子いい」という判断ができるようになる。仕事の負荷の調整がしやすくなった。
自分の体の状態を正確に把握することは、知的労働者にとって意外と重要だと思っている。体のシグナルを無視し続けると、気づかないうちに限界を超えてしまう。ストレッチは、そのシグナルを受け取る感度を上げる練習でもある。
③腸を整えたら、全体が変わった
「腸活」という言葉、以前はちょっと怪しいと思っていた。
健康オタクが使うワードで、自分には関係ない、と思っていた。でも、腸と脳は「腸脳相関」と呼ばれるほど深く繋がっている。これは最近の研究で急速に明らかになってきていることだ。
腸内環境が乱れると、セロトニンの産生が減る。セロトニンはいわゆる「幸せホルモン」で、気分の安定や集中力、やる気に関わる。体内のセロトニンの約90%は腸で作られる。
つまり、「なんかモチベーションが上がらない」「集中できない」「気分が沈みやすい」という状態の一部は、腸の問題かもしれない。
ぼくは最初、「なんとなく体の調子が良くない」期間が続いていた。睡眠を改善しても、ストレッチをしても、どこかすっきりしない。そのときに腸内環境を整えてみようと思って、青汁を飲み始めた。
使っているのはKALE FARM(ケールファーム)のサブスク。毎日続けやすい量と濃度で、苦すぎない。飲み始めて1週間くらいで腸の動きが変わった。2〜3週間後には、朝の体の軽さが明らかに違った。
あわせてクレアチンも摂るようにしている。クレアチンは筋肉のエネルギー代謝を支える成分で、筋力だけでなく認知機能にも関わるという研究が出てきている。毎日3〜5g、水に溶かして飲む。体の回復速度が体感できるレベルで変わった。特に、連日ハードな日が続いたときの回復の差を感じる。
高純度NMNサプリP3も飲んでいる。ヒカルがプロデュースしているやつだ。NAD+という補酵素の前駆体で、細胞レベルのエネルギー産生に関わる。エビデンスはまだ出揃っていないけれど、飲み始めてから「疲れにくい体」になった感覚がある。40代で体力低下を実感している人には試してほしい。
この3つの組み合わせで、腸内環境から体全体のコンディションが安定してきた。「なんかいつも疲れてる」から「なんかいつも普通に動ける」に変わった。地味な変化だけれど、ぼくにとっては大きかった。
「体を整える」ことに投資できない人が陥る罠
「時間がない」「お金がかかる」という反論は、よくわかる。ぼくも同じことを言っていた時期がある。
でも、少し冷静に計算してみてほしい。
睡眠の質が低いせいで、毎日午後の2〜3時間が半分しか機能していないとしたら、年間で何百時間の損失になるか。集中力が落ちた状態で書いた企画書を、後から全部作り直すコストは?疲れた状態でのミスや判断ミスが、どれくらいのリカバリーコストを生むか。
体のメンテナンスに月3〜5万円使ったとして、それで仕事のパフォーマンスが10〜15%上がるなら、コスパは悪くない。特に、年収が上がるほどこの計算は自分に有利になる。
ぼくが独立してからより強く感じるようになったのは、「自分の体は事業の設備」だということだ。会社員のときは組織の中の一つの役割だったから、自分が多少調子悪くても他の人がカバーしてくれる部分があった。でも独立すると、体が資本というのがリアルな話になる。
体のメンテナンスを経費として考えるようになってから、投資の優先度が変わった。新しいデバイスを買う前に、まず枕を変える。セミナーに行く前に、まずドクターストレッチに通う。そういう順番が、長期的には合理的だと思っている。
もちろん、全員が同じようにできるわけではない。でも、何か一つでも「体に投資する」習慣を始めるなら、早い方がいい。体の回復力は、年々落ちていく。35歳で始めるのと、40歳で始めるのとでは、スタートラインが違う。
「結果が出ない」と「体が整っていない」は、セットで考える
ぼくがこれを書いているのは、広告やコンサルの仕事をしている人の多くが、体のメンテナンスを後回しにしている、と感じているからだ。
「今は忙しいから、落ち着いたら運動する」「来月から健康的な生活にする」という言葉を、何度聞いたかわからない。自分も言っていた。
でも、「落ち着く」タイミングは来ない。仕事は次の仕事が来る。プロジェクトは終わったら次のプロジェクトが始まる。
体のメンテナンスは、仕事の合間にやるものじゃなくて、仕事のパフォーマンスを上げるためにやるものだ。順番が逆だった。
ぼくが今やっていることを整理すると、こうなる。
夜はテンシャル・バクネのリカバリーウェアと掛け布団、BRAIN SLEEPの枕で寝る。月に2〜3回ドクターストレッチに通う。毎朝ケールファームの青汁を飲む。クレアチンを水に溶かして飲む。NMNサプリを摂る。
特別なことは何もない。でも、これを続けているだけで、40代のぼくの体のベースラインが上がった。疲れにくくなった。頭の回転が続く時間が長くなった。
仕事の戦略を見直す前に、まず睡眠を見直す。これが今のぼくの考え方だ。
「疲れたらマッサージ」の何が問題か
改めて整理すると、ぼくが若い頃にやっていた「疲れたらマッサージ」という対処は、消防車を呼ぶことに似ている。
火事が起きてから消す。でも、火事が起きやすい建物の構造は変わっていない。また同じ場所から火が出る。
睡眠・ストレッチ・腸活は、建物の構造を変えることに近い。火事が起きにくい体を作る。疲れにくい体、回復しやすい体、考え続けられる体。
一つ一つの効果は地味だ。一週間やっても劇的な変化はない。でも、3ヶ月続けると「あ、ぼくこんなに調子よかったっけ」という状態が当たり前になってくる。
マッサージが悪いわけじゃない。でも、それだけに頼っていると、体の回復の「天井」が低いままになる。外側から何とかしようとしても、内側のリズムが乱れたままでは限界がある。
ぼくが変えたのは、「内側を整えることを先にやる」という順番だった。
仕事で結果が出ないとき、何をするか
仕事で成果が出ていない時期に、ぼくが以前やっていたことは、もっと頑張ることだった。
残業する。休日に仕事する。インプットを増やす。もっと考える。
でも今は、違う順番で考える。
ちゃんと寝られているか。体が硬くなっていないか。腸の調子はどうか。
この3つが揃っていないなら、まずそこを直す。その上で、仕事の中身に向き合う。
基盤が整っていない状態でいくら頑張っても、パフォーマンスの天井は低い。逆に、コンディションさえ整っていれば、同じ時間でできることが増える。これは、年を重ねるほど差が大きくなると感じている。
20代は体力でカバーできた。30代はギリギリ誤魔化せた。でも40代は、誤魔化しが効かない。コンディションの差が、そのままアウトプットの差になる。
脳のパフォーマンスは体のコンディションと直結している。これは、マーケターも、コンサルタントも、どんな知的労働者にも変わらない話だと思う。
30代のあなたに伝えたいこと
40代のぼくが、35歳前後のぼくに戻れるなら、こう言いたい。
「体力は今が一番ある。でも、その体力は今日で少し落ちた。明日も少し落ちる。それを知った上で、今から投資しておいて」
35歳という年齢は、体力低下の「崖」が始まるタイミングでもあり、同時に「まだ間に合う」タイミングでもある。
睡眠を変えること、体を定期的に伸ばすこと、腸内環境を整えること。どれも地味に見える。でも、この3つが揃ったとき、「仕事ができる体」の耐久年数が変わる。
ぼくは40代になってから始めたから、少し遅かった。
でも、今からやっている。なぜなら、50代のぼくに「40代のうちに始めてよかった」と言われたいから。
仕事で結果が出ていないと感じているなら、まず寝てほしい。本当に、それだけでいい。そこから始めると、全部が少しずつ変わっていく。
全部一気にやる必要はない。まず睡眠環境を一つ変える。それだけでいい。ぼくも最初はテンシャルの掛け布団を一枚変えただけだった。そこから少しずつ、体の変化に気づいて、次のことをやりたくなる。
広告代理店でも、コンサルでも、フリーランスでも、知的労働をしている人の最大の資産は「脳が正常に動くこと」だ。その脳は、体の上に乗っている。体が整っていなければ、脳も整わない。
年収を上げることより、スキルを磨くことより、体のベースラインを上げることの方が、長期的には仕事の成果につながる。そう思うようになったのは、40代になってからだ。遅かったけれど、今からやっている。
ぼくの経験が、少しでも参考になれば嬉しい。
